老後資金における年金・商品等の利率比較・利用 1

金利と位置づけ

老後資金には様々なものがあります。それらについて、現状の金利を再確認し、資金全体の中で、それぞれの資金をどう利用するかを考えます。人によっては、相続資産がたくさんあるという人もいるでしょう。相続財産を、不動産で保有するのか、あるいは銀行預金にするのか、株式にするかなどいろいろな選択肢がありますが、相続財産という概念のものも、何らかの具体的な資金・資産に代わると思います。

老後資産の利率などの一覧表

考えられる資金・資産、現在の利率、私の場合の利用状況・考え方などを表にまとめました。この表は、現在私が認識しているもので、時間の経過とともに私の考え方も変わりますし、利率、経済情勢も刻々と変わりますので、自分なりに頭を整理しておくことが望ましいでしょう。

資金・資産 予定利率、期待リターン 私の利用状況
1.勤労収入 健康、趣味、介護などとの中で総合判断 64歳まで
2.国民年金 0%だが長生きしても受け取れる 65歳から
3.厚生年金 0%だが長生きしても受け取れる 65歳から。ただし64歳までは報酬比例部分の特別支給
4.国民年金基金 1.5%
5.小規模企業共済 1%
6.財形年金 0.7% 60歳から6年間受給
7.銀行預金 0% 生活に必要な最低限の金額
8.確定給付年金 2.5% 60歳から20年間
9.個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」 7% 最近の制度なので利用できない
10.企業型確定拠出年金 7% 20年近く利用し、現在は運用のみ
11.NISA 7% 過去に利用したが、つみたてNISAに移行
12.つみたてNISA 7%だが20年満期 2018年から利用中
13.ETF 10% ポートフォリオの中心
14.ETF分配金 2%弱 国内分は生活費、外国分は再投資
15.投資信託 7.0% 野村證券は低コストインデックスファンドがないので利用せず
16.株式、株式配当金
17.銀行預金
18.個人年金保険 金融機関は自社経費を先に確保 ブラックボックスがあるので利用せず
19.不動産 自分の住む不動産以外は基本的に持たない

書き出してみると、資金源、資産の種類はたくさんあるものです。その一つ一つを考えてみましょう。

1.勤労収入

勤労収入と自営業

勤労収入とは、会社員等の労働によって得る収入ですが、ここでは、弁護士など個人業主等の自由業の収入も含めて考えます。

30年前は55歳定年制

会社員には定年制があり、一定の年齢になると強制的に会社を辞めますが、自由業は年齢にかかわらず働くことができます。最近の会社員は65歳まで働くことができますが、1993年までは、55歳定年制でしたから、勤労期間は短期間に長くなっています。そして間もなく70歳まで働けるようになるでしょう。

会社が厚生年金掛け金を負担

一方で、自由業の人が働ける期間は、70歳または80歳くらいまででしょうから、10年近い差があります。この差を埋めるために、厚生年金は会社側に掛け金を拠出させて、老後の生活資金を用意させる仕組みにしてあります。逆に言うと、自由業の人達は、長く働かなければならず、早く引退したいのであれば、個人年金基金や小規模企業共済などで老後資金を用意しておく必要があります。

お金以外の要素

しかし、60歳以降も働くかどうかは、単にお金だけの問題ではありません。

  • 人生のやりがいとして働き続ける、
  • 周りから頼まれて引き続き働かざるを得ない、
  • 趣味のための時間を確保するために自由にできる時間が欲しい、
  • 親や家族の介護のためにはフルで働くことが難しい、
  • 自分の体力が衰えたり病気になって働くことが難しい
  • 第2の人生を歩むために元気なうちに仕事を辞めたい、

など、人によって様々な事情があります。

親の介護

私は親の介護のためもあって、60歳からパートタイムの仕事に移りました。今は、趣味や、第2の人生(?)のために、日々の生活の時間が足りないほど、忙しい生活を送っています。

趣味は他人には理解できない

人から見ると、くだらない、ただの暇つぶしに見えるかもしれませんが、趣味というものはしょせん、他の人には理解できないものです。

人生は暇つぶし

久米宏は、小学生の時に担任の先生に、「人生は何だと思う?」と聞かれて、「暇つぶしだと思います。」と答えました。立川談志は、「人生は壮大な暇つぶしだ。」と語っていたそうです。飢餓、戦争、圧政、病気に苦しむ人は別として、それらの不幸を逃れられている人にとっては、他人の理解を得られない時間の使い方をしているのかもしれません。

久米宏の生き方

久米宏は、十数年前にテレビのキャスターを辞め、その後続けていたラジオのパーソナリティーも2年前に辞め、現在は無報酬の「久米ネット」というインターネット動画配信を続けています。この配信の特徴は、無報酬であるので、スポンサーに気兼ねせずに発言ができることです。例えば、2020東京オリンピックについて、久米宏は、当初から開催に反対していて、自分のラジオ番組「ラジオなんですけど」でも2時間にわたって、2020東京オリンピック開催を非難していました。テレビ、ラジオなどは郵政省の許可している電波を使って放送しているので、政府のやることになかなか批判することは難しい立場にあります。

人気急落の国家公務員

会社員や公務員ならだれでも経験したことがあるでしょうが、なかなかトップの方針には逆らえない場合が多いものです。最近の政府の役人の中には、平然と虚偽の答弁をしても現在の地位にしがみついている姿を見苦しく思う人が多いため、国家公務員の受験者数が激減しているようです。

気兼ねせずに情報発信

久米宏の現在の姿は、老後なのか、あるいは、本来やりたかった現役の姿かはわかりませんが、影響力が小さくとも、お金や組織に束縛されずに、自分のやりたいことをしているようです。

<明日に続く>