どうしたら貯蓄できるか? 2

<昨日の続き>

変化することより何もしないことの方が楽

リタイヤが何十年も先のことだと感じるだけでなく、どこに口座を開設して、それぞれの投資方法に関する規則を理解しようとすることも少し気が重くなるのです。例えば、50歳未満なら、IRAやロスIRAには6,000ドルまでしかかけられません(50歳以上なら上限は7,000ドルまで増やせます)。しかし、収入が140,000を超えているとロスIRAには掛けられません。

そしてすべての細かい点がはっきりし、いざ始めようとして、腰を据えて、口座を開くこととなった後でさえ、そこでためらってしまいます。

「明日やる」が「今週末にやる」になり、その後「来週末にやる」になる。理解するまでに1か月以上経ち、まだIRA口座を開設していません。リタイヤのための貯蓄となるとまるっきりです。どの作業でも、こんなことを繰り返し考えていると後ろめたい気持ちになりますが、それは、返品しなければならない小包を返送したり、部屋の掃除、あるいはサブスクリプションや会員のキャンセルでも同じです。

こんなことが起こる理由は、変化を起こす行動をするよりは、現状を維持する方が楽なことの方がよくあるので、人は現状にしがみつくからです。これは現状維持バイアスと呼ばれ、このバイアスの主の原因の一つは注意不足であると、リチャード・テーラーとカス・サンスタインは彼らの本、ナッジ:実践行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択、の中で書いています。

初期設定のままにしてもすぐに危害が加えられたり、大損害を被る状況に対して「まあいいや、どうでも良いよ」という傾向が人々にはあります。そうすると、利用していないジムの会員料金に10ドルを支払い続け、部屋の隅に汚い服を積み重ね、返品期限が過ぎるまで小包をそのままにしておくことになります。

もちろん、これらの状況はあるレベルの結果を招きます(たとえば、使わないものに対して支払う必要のないお金を払います)。このことによる結果の重大さが非常に大きいとか、行動しなければいかないほど緊急性を帯びているとは、どうしても考えないのです。

ところで、退職勘定開設は本当に丸一日取る必要があるのでしょうか。私は自分のフィデリティ・ロスIRAと両親のロスIRAを開設するのに20分でできました。必要なのは誕生日情報、住所、社会保険番号、送金のためのいくつかの銀行口座の詳細情報だけです。そうすると口座が出来上がり、第1回目の掛け金のための準備ができました。

希望する貯蓄額達成のためにどれくらいかかるかを過小見積もりする

なすべきことを一定時間内でできるのに、結局完成するにはもっと長い時間が実際にはかかった、とということはよくあります(最初の予測の倍かかることさえありました)?これは誤った推論と呼ばれ、よくあることであり、お金に関しては特にそうです。以前に行った同様の仕事を完成させるために計画よりも長い時間がかかったと分かっても、将来の仕事を完成させるためにどれくらいの時間がかかるのかを、過小見積もりする傾向があります。

このため、たった20年間で老後のために必要な金額を貯めることができるはずだと考え、多くの人が30代、40代になるまで、リタイヤのための貯蓄を延期するのです。

しかし現在の支出と金銭債務をいったん織り込めば、快適なリタイヤのための資金を作るためには、当初信じていたよりはるかに長い期間が実際には必要だということが分かります。

ジャーナル・オブ・アカウンタンシー誌によると、54%の人がリタイヤのために必要な金額を少なく見積もっています。リタイヤのために必要な金額と、それを貯蓄するためにかかる期間を小さく見積もると、貯蓄額が足りなくなってしまします。

それぞれの年齢までに貯めるべき金額を知ることはできますが、リタイヤするために貯蓄を始める最も重要な年齢は、自分の現在の年齢です。経営者が補助してくれる401(k)プランから始めるのが良いのです(少なくとも、経営者のマッチングを受けるのに必要な最小限度額をかけることを確実に行うのです)。それに加えて、ロスIRAを行うことも、リタイヤ後に引き出す時に非課税で増やすのに役立ちます。

もちろん、掛け金を投資しなければならず、もし投資をしていない人にとっては大変です。しかし、ベターメントやウェルスフロントなどのアプリを使えば、あらかじめ決められた分散ポートフォリオに資金を投資することによって、混乱に陥らずに済みますし、自分にとって必要なもの、関心、リスク耐性に基づいて調整してくれます。

以上が拙訳でした。

私(江戸庄蔵)は、子供たちのSBI証券の口座開設を手伝ってやりました。私があらかじめ、口座開設のページを下調べし、隣に座って、どこをクリックすればよいか教えました。そのような親が周りにいれば、日本の資産形成はもっと進むのですが・・・。