VGK:バンガード FTSE ヨーロッパETF 2022年4月

国別株式相場の変遷

最近10年間はアメリカの株価が非常に好調でした。しかし常にそうなるとは限りません。21世紀になってからの国別の株式相場の上昇率を見てみましょう。

2000年代は新興国

2000年代は新興国が上位を占めていて、米国はほとんど上昇していません。その理由は、始点となる2001年頃のアメリカはITバブルの真っ最中で、株価が高騰していたのです。さらに終点の2010年はリーマンショックの直後で、まだ底値に近いところにいたからです。

国別リターン順位 MSCIベース   2001-2010年
1.コロンビア  3,711%
2.ペルー    2,019
3.インドネシア   970
4.スリランカ    699
5.ロシア      637
6.ブラジル     578
7.エジプト     534
8.チリ       532
9.チェコ      531
10.タイ        478
11.メキシコ    441
12.韓国      421
13.オーストラリア 411
14.インド     391
15.南アフリカ   288
16.アルゼンチン  254
17.中国      193
18.ハンガリー   184
19.マレーシア   182
20.ニュージーランド177
41.米国       16

2010年代は先進国

一方、2010年代は、始点の2011年がリーマンショックの底値に近かったので、上昇率が大きくなっています。

2011-2020年
1.米国       274%
2.ニュージーランド 208
3.デンマーク    185
4.アイルランド   138
5.英国       134
6.オランダ     118
7.オーストラリア   98
8.台湾        92
9.スイス       87
10.中国       71
11.韓国       65
12.日本       55
13.フィリピン    48
14.スウェーデン   48
15.香港       46
16.フランス     44
17.フィンランド   42
18.ドイツ      39
19.ベルギー        34
20.カナダ         31

地域分散、時間分散、資産分散

今後の10年は、アメリカや先進国が良いのか、あるいは新興国が再浮上するのか、それは誰にもわかりません。投資をするときには、世界に分散することが大事ですし、特に若い人であれば積立によって時間を分散することも重要です。さらに今後は、債券、金などの資産分散をどう考えるかがテーマです。

ロシアのウクライナ侵攻に揺れるヨーロッパの株式ETFである、VGKの状況を確認しましょう。


英語版を日本語に翻訳

世界最大級の資産運用会社であるバンガード社の日本法人(バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社)が2021年2月28日をもって廃業しました。その結果、日本語版のETFの商品説明をやめてしまったので、英語版を日本語に翻訳してその内容を確認します。

製品概要

  • ヨーロッパの主要市場に所在する企業が発行した株式の投資収益率を測定するFTSEDevelopedEurope AllCapIndexのパフォーマンスを追跡しようとしています。
  • オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国にある企業の株式を保有しています。
  • パッシブの完全レプリケーションアプローチに従います。

ETFのデータ

  • 資産クラス:国際/グローバルストック
  • カテゴリー:ヨーロッパ株
  • IOVティッカーシンボル:VGK.IV
  • 経費率:2022年2月25日現在 0.08%
  • CUSIP:922042874
  • ETFアドバイザー:バンガードエクイティインデックスグループ

価格と利回り

  • 市場価格:2022年4月14日現在  $61.54
  • NAV:2022年4月14日現在    $61.67
  • プレミアム/ディスカウント:  -$ 0.13

リスク潜在性

アグレッシブファンド: リスクレベル5

アグレッシブに分類されたバンガードファンドは、株価が非常に大きく変動する可能性があります。 これらのファンドは、長期的な投資期間(10年以上)を持つ投資家に適している可能性があります。 これらのファンドに関連する異常に高いボラティリティは、いくつかの戦略に起因する可能性があります。

⇒ 今回のロシアによるウクライナ侵攻のようなことがあると、VOOやVTIのランク4に対してランク5は妥当だと思います。

平均年間収益 2022年3月31日現在

⇒1年間利回りは1.99%まで落ちました。アメリカに比べて、ヨーロッパは厳しい。ヨーロッパはロシアとのつながりが密接だったということのようです。

1年間 3年間 5年間 10年間 2005年4月3日設定以来
バンガード FTSE ヨーロッパETF 1.99% 8.28% 7.10% 6.53% 4.92%
Spliced European Stock Index*(ベンチマーク) 2.87% 8.64% 7.32% 6.63% 4.88%

10,000ドルの仮想成長 2022年3月31日現在

⇒ 10年前に1万ドル投資していたら、1万8千ドルに増えていたということになります。アメリカの2分の1程度です。残念。

特徴 2022年3月31日現在

  • 純資産総額:259億ドル
  • 株式数:1370
  • 上位10銘柄の割合:18.2%

バンガードFTSEヨーロッパETF(VGK)月末の保有

2022年3月31日現在

⇒ ウクライナ侵攻が始まってから7位のVMHモエヘネシールイヴィトンSEが急落しました。ロシアのオリガルヒが買わなくなったからでしょうか。

1.ネスレSA              3.10%
2.Roche Holding AG          2.50%
3.ASML Holding NV           2.20%
4.Shell plc                1.80%
5.アストラゼネカplc          1.80%
6.ノバルティスAG          1.60%
7.LVMHモエヘネシールイヴィトンSE   1.50%
8.ノボノルディスクA/S          1.50%
9.HSBCホールディングスplc       1.20%
10.SAP SE                1.00%