「100-年齢」の公式は正しいのか?

高齢になるほど、株式の割合を減らして、債券の割合を増やした方が良いというのは、よく聞く話です。

具体的に言えば、「100-年齢」は、資産運用で株式(リスク資産)の割合を決め、残りを債券や現金にする古典的な目安です。

最近は100を110に増やして、「110-年齢%」とする人もいます。

株式の割合が「100-年齢%」になるため、年齢が上がるほど株式が減り、相対的に債券や現預金の割合が増える仕組みです。

しかし、この公式には非常に重要な要素がかけています。それは年金収入です。

  • 厚生年金(国民年金)
  • 確定給付年金
  • 確定拠出年金

この3つの年金だけで通常の生活ができるのであれば、金融資産を100%株式に投資しても、問題ありません。

「100-年齢」の公式は、アメリカでできていて、あめりかでは日本の厚生年金のようなしっかりした年金が無かったのです。

更に

  • 株式の配当(投資信託の分配金)

も、安定して支払われるので信頼できる収入とみなすことができ、いっそう株式に投資できる割合が増えます。

わたしは、ほぼ100%を株式ETF、インデックスファンドに投資し、現金は生活費程度しか保有していません。

ここで、資産運用会社の社員の保有資産ポートフォリオをのぞいてみましょう。いずれも、NOMURAアセットマネジメントの社員の実例です。

興味深いのは、40代、50代、60代と、高齢になるほど、株式や投資信託の割合が増えていることです。

知識と経験が増えて行くにつれて、「100-年齢」の公式に意味がないことが分かって来るようです。


20代社員の資産運用

【運用資産】

積立投資など、その他投資信託1ファンド

■現在の投資状況
積立投資 30,000円/月

  • 投資信託の積立投資 30,000円/月
■積立投資の内訳
投資信託:米国株式(アクティブ)67%、日本株式(アクティブ)33%
■企業型確定拠出年金(DC)を用いた積立投資の内訳
会社拠出:投資信託 世界株式100%

保有資産のポートフォリオ

保有資産のポートフォリオの図

【目的・運用方針】

  • まだライフプランが見えていないので明確な目的はないですが、友人たちが月○万円と決めて貯金していると聞いて刺激を受けました。ただ、資産運用業界に入り、低金利の預貯金はインフレに弱いことを学んだので、お金に働いてもらうことにしました。
  • 運用コストの低いインデックスファンドも魅力的ですが、職業柄、運用者が近くにいて、組織のリサーチ力を感じているので、アクティブファンドを選んでいます。

【積立投資を活用する理由】

預金のままにしていると使ってしまうので、積立投資を活用して自動的に引き落とすことで、使い過ぎを防いでいます。


30代社員の資産運用

【運用資産】

積立投資など、その他株式2銘柄保有(贈与)

■現在の投資状況
積立投資 60,000円/月

  • 投資信託の積立投資(NISAのつみたて投資枠:60,000円)
■積立投資の内訳
投資信託:世界株式(インデックス) 100%
■企業型確定拠出年金(DC)を用いた積立投資の内訳
会社拠出:投資信託 世界株式(50%)、新興国株式(50%)

保有資産のポートフォリオ

保有資産のポートフォリオの図

【目的・運用方針】

  • 将来の教育資金の一部になればと、NISAのつみたて投資枠を使って資産運用をしています。
  • もし子供が海外留学したいと言い出した時に円安だと費用負担が大きくなるため、円安になった時に資産が増えるような世界株式に投資する投資信託を選択しています。

40代社員の資産運用

【運用資産】

積立投資など、その他投資信託4ファンド

■現在の投資状況
積立投資 40,000円/月

  • 投資信託の積立投資
    (NISAのつみたて投資枠:40,000円/月)
■積立投資の内訳
投資信託:世界株式(インデックス) 100%
■企業型確定拠出年金(DC)を用いた積立投資の内訳
会社拠出:投資信託 世界株式100%
マッチング拠出※2(10,000円/月):投資信託 世界株式100%

保有資産のポートフォリオ

保有資産のポートフォリオの図

【目的・運用方針】

  • 30代から将来の教育資金の一部になればとNISAを使って積立投資をしています。
  • 積立投資以外では、以前に一括購入した投資信託を長期で保有してお金を育てていき、老後に備えるつもりです。
  • 投資信託は長期投資と考えているため、リスクを取って株式を中心に投資しています。
  • 子供2人が小学生なので、現時点の教育資金は給料の中から捻出できている状況です。また、住宅ローンの支払いもあり月々の負担が大きいですが、税制優遇のあるつみたてNISAと確定拠出年金制度のマッチング拠出は活用しています。

50代社員の資産運用

【運用資産】

積立投資など、その他投資信託6ファンド、株式4銘柄保有(前職時に取得。現在は保有のみ)

■現在の投資状況
積立投資 90,000円/月

  • 投資信託の積立投資
    (NISAのつみたて投資枠:90,000円)
■積立投資の内訳
投資信託:世界株式(インデックス)30%、米国株式(インデックス)15%、米国株式(アクティブ)15%、新興国株式(アクティブ)20%、その他(アクティブ)20%
■企業型確定拠出年金(DC)を用いた積立投資の内訳
会社拠出:投資信託 世界株式100%

保有資産のポートフォリオ

保有資産のポートフォリオの図

【目的・運用方針】

  • 刻々と老後が近づく中で、将来の不安を取り除くために投資しています。若いうちは老後のことを考えずに散財していましたが、若いうちからコツコツと積立投資を行なっていれば、月々の積立額はもっと少額でもよかったことに改めて気づき、後悔の日々を過ごしています。
  • ボーナスを積立投資の原資として、証券口座に1年分の積立額を一括入金し、無駄遣いを防いでいます。やはり、お金の色分けは重要です。
  • 社内のルールで株式の個別銘柄の売買はできないので、前職で取得した株式は長期的な視点で保有をしております。

【積立投資を活用する理由】

「積立投資」は価格が高い時には口数を少なく、価格が安い時には口数を多く購入することができる手法なので、市場が下がった時に、多くの口数を買うことができていると捉えれば、急落時に悲観的になりすぎることなく、運用を続けることができるからです。


60代社員の資産運用

【運用資産】

積立投資など、その他株式6銘柄(前職時に取得。現在は保有のみ)、投資信託5ファンド、MRF※1

■現在の投資状況
積立投資

  • 投資信託の積立投資(新興国株式 100%)

その他に、下落局面で投資ができるように待機資金を置いています。

■投資信託の内訳
日本株式、外国株式、米国ハイ・イールド債が中心
通貨選択型投資信託も活用、新興国株式で積立投資
■企業型確定拠出年金(DC)を用いた積立投資の内訳
会社拠出:投資信託 日本株式(25%)、世界株式(25%)、世界債券(25%)、バランス型(25%)

保有資産のポートフォリオ

保有資産のポートフォリオの図

【目的・運用方針】

  • 今後の趣味・レジャー費、老後の生活費などのために運用しています。
  • 積立投資は新興国株式の投資信託1ファンドのみ継続して購入を続けています。
  • 前職で取得した株式は配当利回り・株主優待の観点で選択していました。社内のルールで株式の個別銘柄の売買はできませんが、長期的な視点で保有しています。
  • 定年を迎えた際に、投資信託と確定拠出年金の半分を売却しました。投資信託の売却金はMRFへ、確定拠出年金の売却金はバランス型、外国債券型の投資信託に変更しています。これらはマーケットの下落時に購入するための待機資金として置いています。

※1MRF…マネー・リザーブ・ファンドの略称。証券総合口座内で商品を売買する際の決済口座としても使用される。銀行口座の預金に近い位置づけとして使われている。

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