<昨日に続く>
個別株式投資は、自分なりのルールを決めて株式に投資すれば、もっとも良い投資方法である可能性があります。そのルールは以下の通りです。
- 趣味の範囲の金額にする
- 銘柄を最低10(できれば20)以上に分散させる
- 各銘柄は業種を分散させる
- 株主優待を選択基準にしない。もしするなら、それも趣味と割り切って、余計にお金を払う必要があると割り切る
- 買ったら、売らずにそのまま放っておく
第3ルールまで説明しましたので、昨日は第4ルールから説明します。
第4ルール:株主優待を選択基準にしない。もしするなら、それも趣味と割り切って、余計にお金を払う必要があると割り切る
安定株主獲得
株主優待制度を実施する企業の狙いは、安定株主の確立です。また、最近では、株式に関する雑誌が頻繁に記事として取り上げるので、企業イメージの向上効果もありそうです。
株主優待には多額の経費
しかし、株主優待制度の運営には、送料など各種経費に加え、それに伴う人件費も含め、多額の経費が掛かります。株主優待制度を実施ているのは、世界的には日本だけで、諸外国ではほとんどされていないようです。
株主優待をする会社は配当が少ない?
私としては、株主優待制度に使うコストを配当金に上乗せしてくれた方がありがたいと思っています。そのコストは公表されていませんから、実態はよく分かりませんが、配当金の平均利回りが2%程度だとすると、0.1%、あるいはそれ以下かも知れません。私のように株式ETFしか保有していない人は、株主優待の恩恵にあずかっていないので、大変不満に思っています。一方、株主優待を選択基準にする場合には、趣味の一つだと割り切る必要がありますが、趣味をするにはお金がかかりますから、その分、配当金が減ると考えるのが妥当でしょう。
業種が絞られる
株主優待のもう一つの問題点は、食品、レストラン、小売業など業種がとても狭いことです。これでは十分な業種分散ができず、投資資金がリスクにさらされることになります。
株主優待は本当に得か?
株主優待で、あまり欲しくもない商品をもらったり、デパートの割引を使うために無理して買い物をするのが、自分にとって賢い投資方法なのかをよく考えた方が良いでしょう。
第5ルール:買ったら、売らずにそのまま放っておく
買いっぱなしが最も好成績
フィデリティ証券の調査では、株式投資で最も成績の良かった人の特徴は、自分のポートフォリオを忘れてしまった人だそうです。つまり、買った後、そのままほったらかしにしてしまった人です。株式の世界には、利益確定とか損切という言葉がありますが、それはプロの世界の人にとっては必要な方法かもしれませんが、1年、2年で資産を増やすのではなく10年、20年を見据えて長期投資をする人にとっては、「バイ・アンド・ホールド」、つまり「買いっぱなし」が最も良い方法のようです。
少銘柄保有の場合の倒産は悲惨
フィデリティ証券の調査で気を付けなければいけないことがあります。それは、たくさんの「買いっぱなし」の人の平均は好成績であっても、その中には1銘柄しかもっていなかった人も含まれているということです。そして、1銘柄しかもっていないのに、その会社が倒産したら、それを持っている個人投資家は不幸です。一方で、どんどん株価が上昇する会社もありますから、100人、1000人と多数の平均株価は上昇します。1銘柄しか持たない場合のリスクを避けるには、ある程度多くの銘柄に投資して、リスクを分散させる必要があります。
ETFやインデックスファンドの買いっ放しがベスト
つまり、ETFやインデックスファンドを買ったら、その後、5年、10年、20年の間、売らずにそのまま放っておくことが、個人投資家にとって最も良いということになります。
個別株式は時間・精力を消耗する可能性
個別株式を始めたけれど、結局株式投資をやめてしまった人、あるいはETFやインデックスファンドに鞍替えした人の話を聞くことがあります。その人たちは、頻繁に株式を売り買いして、時間と精力を無駄に注いだためにつかれてしまったそうです。
私は、過去において投資した商品を売ったことは、基本的に2種類しかありません。
個別銘柄売却の理由
一つ目は、従業員持ち株会で積み立てた株式を全額売却して、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を購入したこと、二つ目は、その1306の一部を売却して生活費に補充したことです。
従業員持ち株会株式をETFに転換
その結果、従業員持ち株会の株式1000万円は1306という形に姿を変えて現在5000万円に増え、退職金等はSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などの外国株式ETFになり、評価額が増加しています。現在の評価額は、2億円以上になり、元金の2倍以上になりました。資産運用期間は10年足らずです。
28年間で8倍
私はSPYにかなり大きなウェイトで投資していますが、この銘柄の株価は1993年発売時の1株44ドルから、2021年1月には373ドルまで上昇しています。この28年間には、ITバブル崩壊、リーマンショック、チャイナショック、新型コロナショックがありましたが、数年で回復して上昇を続けています。
200年で100万倍
期間を伸ばして、過去200年以上の推移をみても、株式が最も上昇していることが分かります。なお、このグラフは縦軸が対数目盛になっていますので、1ドルが百万ドルに成長していることが分かります。