金融広報中央委員会の2016年金融リテラシー調査 3

<昨日の続き>

金融広報中央委員会の金融リテラシー調査(2016年)の質問項目を題材に、個人のお金のことを考えてみたいと思います。

なお、私の意見は、⇒の後に示してあります。

Q6 10 万円を投資すると、半々の確率で 2 万円の値上がり益か、1 万円の値下がり損のいずれかが発生するとします。あなたなら、どうしますか。(1つだけ)
1. 投資する
2. 投資しない

それぞれの確率は2分の1、つまり0.5ですから、

期待値 = 2万円 ✖ 0.5 +( —1万円 ✖ 0.5 )

= 1万円 —0.5万円

= 0.5万円

つまり、5千円の値上がりを期待できますから、私なら投資します。しかし、もし、これが10万円の投資ではなく、全財産1億円の投資で、半々の確率で 2 億円の値上がり益か、1 億円の値下がり損のいずれかが発生するとしたらどうでしょうか。儲かれば2億円になりますが、損をすれば一文無しになり飢え死にするとしたら、投資しません。投資金額が10万円という少額であり、しかも損失も1万円という限定的な金額なので、気楽に投資できます。

しかし回答の78.6%の人は、2の投資しないを選んでいます。人生も、寿命もどうなるか分からない中で、ある程度のリスクをとって生きているのに、お金だけは、リスクを取らないないのは、どうなのでしょうか。

私の勤めていた会社で企業型確定拠出年金を始めた時、私は100%外国株式インデックスファンドで投資しましたが、社員の90%は銀行預金を選びました。その傾向は今も変わっていないようです。

なお、私は退職金など1億円を数年に分けて全額、株式投資信託に投資しました。その結果、現在の資産額は2億円を超えています。個別株式のリスクは高いのですが、インデックスファンドのリスクはかなり低いと考えています。

Q7 次の費用のうち、あなたが今後必要になると意識しているものは、どれですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。(いくつでも)

1. 定年退職後の生活費
2. 子どもの教育にかかる費用
3. 住宅の購入費用
4. 自分の医療・介護費用
5. 家族の医療・介護費用
6. 車の購入費用
7. 自分の結婚費用
8. 子どもの結婚費用
9. その他( )
10. 今後必要になると意識している費用はない

「人生の三大支出」と言われるものは、

  • 子どもの教育資金
  • 住宅の購入資金
  • 老後の生活資金

と言われています。老後の生活資金の中には、老後の医療・介護費用も含まれています。

これらの項目については、ファイナンシャル・プランナーや評論家が様々なアドバイスをしていますので、私は別の視点から考えを述べます。

6.車の購入費用について

時々このブログでも述べていますが、例えば東京23区、その周辺の都市に住んでいる人は、自動車を持たなければ、ずいぶんとたくさんのお金が貯まります。自動車の価格や買い替え頻度にもよりますが、20代から60代まで40年間車を持ち続け、年利5~8%のインデックスファンドで運用すると数千万、1億、2億円の差が出ます。

8.子供の結婚式について

大橋巨泉の娘、大橋 美加はジャズシンガーで、結婚するときに巨泉から結婚費用を出してあげると言われましたが、それを断り、身の丈に合った簡素な結婚式にしたそうです。子供に若い頃からむやみにお金を渡すのは、あまり感心しないような気がします。

このアンケートの設問は、人生のイベントにかかわる支出を書き出していますが、イベント以外にどんどん支出してしまう項目があります。それは、保険、外食、コンビニです。

保険

保険と言っても、生命保険、医療保険、火災保険、がん保険など、様々な保険があります。その中で、私が今考えると無駄だっとと思うのが、医療保険と、生命保険の特約です。

団体定期保険

子供が成人になり就職するまでは、親の義務として生命保険に入っていることが必要ですが、その年齢を過ぎたら、やめることによって無駄をなくすことができます。この保険は、勤めている会社の福利厚生で扱っている団体定期保険を利用することによって、保険料コストを大幅に引き下げることができます。そして、私は55歳になった時点で、この団体的保険もやめました。

医療保険

日本には、公的な健康保険制度がありますので、基本的に民間の医療保険は不要です。医療費が一定額を超えた場合には、高額療養費制度によって、大きな支出の必要がないようになっています。しかし、日本人のほとんどは、そのことを知らないので、無駄な保険料を払い続けているのです。かくいう私も、30年間にわたって生命保険会社に、保険料を払い続け、その総額は500万円以上になったと思います。知識のない私たちは、誰か良く知っている人と同じ行動をとるのが有効かもしれません。生命保険会社の部長さんたちは、自社の福利厚生としての団体定期保険にしか入らないそうです。私も自分の子供たちには、子供ができたら団体定期保険だけ入って、医療保険などには入るな、とアドバイスしています。

がん保険

がん保険も、医療保険と同様に、無駄な保険ですから、基本的には入らない方が得です。がん保険が、大量にテレビコマーシャルを流し続け、駅前に店舗を開き、ティッシュペーパーを配っているのは、加入者が保険料をたくさん払っているからです。一方で、がん保険に入っていてよかったという人もいます。私の友人に、がん保険に入って数か月後にがんが見つかり、治療費の300万円が保険金として支払われたケースです。しかし、このような確率は極めて低いので、ほとんどの保険料は戻ってくることなく、保険会社の人件費、広告宣伝費になって消えていくのです。

外食

普段生活しているコストの中で大きくなる可能性があるのが、外食の費用です。この費用は、ほとんど人件費と家賃ですから、自宅で料理すれば、数分の一の費用しか掛かりません。外食の楽しみもほどほどにした方が良いかも知れません。なお、私がが意欲するのは旅行に行ったときだけです。

コンビニ

若い人はコンビニを使うことが多いのですが、私は、官製はがき、切手、不祝儀の袋ぐらいしか買いません。スーパー・マーケットで買える商品を、コンビニでは2倍の価格で売っているのです。コンビニを使わず、スーパーで買い物をすれば、貯蓄に回すお金が増えます。

<明日に続く>