連れ合いの運用実績 2020年12月

最初は1306とSPYを合計1000万円投資

このグラフの2017年までは年一回のデータで、その後は毎月末のデータです。2007年に初めて投資した銘柄は1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)で、合計額は1000万円でした。

評価損は50%以上

緑の運用益の線は指数0を大きく下回り、マイナス50未満だったことが分かります。当時は元本が1000万円だったので、評価損は500万円を超えた程度でしたが、投資したばかりの初心者にとっては、とんでもない額です。

さらに下がったら買い戻すことは有効か?

連れ合いは、「これからも下がるから、今売って、もっと下がったら、買い戻す。」と言い張ります。私は、「株は上がったり、下がったりするから、何もしないのが一番だ。今売って、あとで買い戻すことでうまく行くなら、株をやる人はみんな金持ちになる。」となだめました。このやり取りは、何回もありました。

日銀の異次元緩和政策で追加投資を開始

投資を勧めた私は、毎日針のむしろ状態でしたが、2013年頃から日銀の異次元緩和策などによって株価が上向いてきました。すると、連れ合いも元気になり、1306を買い増し始めました。さらに2015年になると、私の勧めでSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)も追加購入するようになりました。

下がれば売り、上がれば買うのが人間の心理

人間は、株価が下がると不安になって追加購入したくなくなり、株価が上がると、乗り遅れまいと追加購入したくなるものです。株価が下がっている時に、チャンスだと思って購入できる人はなかなかいないものです。その域に達するには、長年の経験が必要でしょう。

ここで連れ合いの投資経歴について、良かった点と、悪かった点に分けて総括してみましょう。

良かった点

① 1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)(その後VOOに変更)に絞って投資をした

インデックス、ETF、株式

アクティブファンドはコストが高いので避けなければいけない商品です。インデックスファンドは低コストなので、個人投資家が選ぶ価値があり、ETFはインデックスファンドの1形態です。ETFには、債券のETFもありますが、現在のような超低金利の時代では債券に魅力がなく、長期保有する投資家にとっては株式ETFが最適だと思われます。

大きいものは安心

1306は国内株式ETFの中で最大の純資産額、SPYは世界の株式ETFの中で最大の純資産額ですから、安心して購入できます。

低コスト

この2銘柄の信託報酬(管理費用)は、年間0.1%以下なので、十分に低コストであり問題はないのですが、さらに低コストの銘柄を選ぶのであれば、1308(上場インデックスファンドTOPIX)、VOO(バンガード社のS&P500のETF)という選択肢もあります。

さらに低コストの商品も

純資産総額もそれぞれ7兆円、17兆円と大きなファンドですから安心です。ETFという商品が、投資家にとって素晴らしい商品が認められた結果、純資産総額がどんどん大きくなっているのです。そこで、連れ合いも追加購入している銘柄はSPYでなくVOOにしています。

② 1306とSPYの比率がおおむね4対6なので、バランスが良かった

アメリカ、その中でもS&P500が好調

世界の株式市場の中で最も元気が良いのは、アメリカです。アメリカの株式指標として有名なのは、ダウ平均、ナスダックですが、どちらもアメリカの株式市場を適切に表しているとは言えません。ダウ平均はダウ工業株30種平均で、30社の株式しか入っていません。ボーイング、スリーエム、ウォールマートのような古い会社は入っているのですが、IT企業はあまり入っていません。逆にIT企業が多いのがナスダックですが、ナスダックではアメリカの企業の全体をバランスよく把握できません。そういう意味で有効なのがS&P500です。これは、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数です。SPYは、S&P500のETFですから、業績好調な株式にバランスよく投資できているということになります。

日本人なら日本株も欲しい

一方、日本で暮らす日本人としては、やはりある程度日本株式にも投資しておきたいものです。日本株式は1980年代にバブルが発生しましたが、その例外を除いて、最近は少しずつ回復に向かっています。したがって、メインではなくとも日本株式ETFにも投資しておきたいのです。その割合はどのくらいが良いかは、正確には分かりませんが、連れ合いの44%や、私の26%という数字は、あながち間違っていないかもしれません。とてもいい加減な言い方ですが、こんな感じで考えればよいのが株式投資かも知れません。

③ 株価が下がっても、売らずに持ち続けたこと

過去200年以上にわたって、アメリカの株式価格は上昇してきました。このグラフは対数目盛なので、株式が圧倒的に上昇していることが分かります。株式の1年後は上昇しているか下落しているか分かりません。しかし、10年後はおそらく上昇しているでしょう。もし下落していたら、もう10年待ってみましょう。1929年の世界大恐慌の時は株価が回復するのに25年かかりましたが、配当を含めれば、もっと短期間で回復したと思います。

悪かった点

① 5年程度に分散して買う予定を立てなかったこと

1回目に1000万円投資した後、半分以下に下落したので追加投資する気がなくなってしまいました。初心者にとっては、ドルコスト平均法は有効な投資手段だと思います。

② 株価の安い2009~2013年に買い増すことをしなかった

下落しても上昇しても、一定額ずつ買い続ける計画を立てていれば、2008年、2009年、2010年に安い買い物ができたのですが、それをできなかったことが残念です。