50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ) 8

<昨日に続く>

10年前の元金約1億円は現在2倍の2億円に

私は現在、国内、海外のETFを中心に資産運用をしています。10年前の元金約1億円は、現在2倍の2億円をました。基本的には、買った後はそのまま持ち続けます。つまり、デイトレーダーや、ファンドマネージャーのように、企業業績、業種動向、為替などの情報を集めませんし、ETFの売り買いもしません。私は、日経新聞も、朝日、読売などの新聞も読みません。NHKのテレビニュース、日経CNBC、日経の電子版(ホームページと無料版)だけです。

買いっ放し

個人投資家が、株式で資産を増やすコツは、バイ・アンド・ホールド、Buy and Hold、日本語に訳せば、「買いっ放し」だと言われています。私は、そのコツを、実践しているのです。

ETFかインデックスファンドか?

私が「買いっ放し」にしている商品は株式ETFですが、インターネットなどを見ると、株式インデックスファンドが推奨されている場合が多いようです。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year

例えば、今年も1月16日(土)に「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」が発表になりましたが、このランキングは、若い投資家などから注目を浴びています。しかし、ここで上位に入る銘柄は、ほとんどがインデックスファンドで、株式ETFはあまり注目されていません。

どちらも良い

株式ETFより株式インデックスファンドの方が良いのでしょうか。そうではありません。どちらも良いのです。何が良いかというと、どちらも低コストなので、個人投資家が安心して投資できる商品という意味でよいのです。

投資方法によって使い分ける

しかし、投資の仕方によって、多少の差が出ます。それぞれの特徴を表にまとめました。なお、ここでいう株式インデックスファンドは、野村証券で扱っている信託報酬の高いものではなく、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドなど、低コストのものです。

株式ETF 株式インデックスファンド
コスト(購入手数料) 0.05~1% 0%
コスト(信託報酬) 0.1%以下 0.1%以下
リターン 年率5~6% 年率5~6%
純資産額 数兆円 数千万円
購入者の年齢層 中高年 若年
購入金額 まとまった金額 少額でも可能
毎月の積立 向かない 向く

購入手数料はインデックスファンドが安い

購入手数料は、株式と同じなので、野村證券(対面証券会社)では約1%、SBI証券(ネット証券)では0.05%なので、インデックスファンドの方が有利です。

価格引き下げ競争でインデックスファンドが安くなったが、その後再逆転

信託報酬は、かつてETFの方が安かったのですが、インデックスファンドが、激しい価格引き下げ競争を繰り広げた結果、両者はほぼ並んできました。ところが2020年後半に最大のETF1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))が大幅に、コスト引き下げを実施した結果、現在0.066%程度になっているそうです。

リターンは5~6%

年率リターンについては、国内ETF5%、海外ETF6%のようです。もちろん株式への投資ですから、確定利回りでなく、過去の平均をもとにした、今後期待されるレベルのリターンです。

規模は二桁違う

純資産総額は、銘柄コード1306が14兆円、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が35兆円なのに対し、インデックスファンドは2000億円程度ですから、規模は二桁違います。規模は大きい方が安心感があり、あまりに小さいと繰り上げ償還になる恐れがありますが、インデックスファンドの2000億円という規模なら、かなり大きいと言えるでしょう。

コスト(信託報酬) 0.1%以下、純資産総額1兆円以上

私は、株式ETFを買う基準として、コスト(信託報酬) 0.1%以下、純資産総額1兆円以上と決めていますので、インデックスファンドは、その規模に達していません。しかし、株式インデックスファンドは順調に成長しているので、おそらく5~10年後には1兆円に達すると予測しています。

購入者の年齢層

年齢層に関するデータを見たことはありませんが、ETFは対面証券でも購入可能で、まとまった金額が必要であることを考えると、おそらく、中高年の方が多いと想像されます。また、年に1回分配金が支払われるので、生活費の足しにしたり、お小遣いとして利用できます。若い人たちは、毎月、給料という収入があるので、分配金については自動的に再投資して、将来のために資産を増やすインデックスファンドの方が向いているでしょう。

購入金額

一回当たりの購入金額は、ETFは株式と同じなので、数十万円から数百万円単位で買うことになるでしょう。一方、株式インデックスファンドは、1円単位で購入できます。

毎月の積立

購入金額が自由にできるインデックスファンドの方が便利です。

つみたてNISAと確定拠出年金も全て野村証券

私は、株式ETFを中心に資産運用していますが、そのほかにつみたてNISAと確定拠出年金を利用しています。それらは全て野村証券で運用しているのですが、これらのうち、つみたてNISAと確定拠出年金については、ETFでなくインデックスファンドです。野村證券の場合、この二つについては、低コストの商品を用意しているので、ネット証券に比べて、大きなハンデはありません。ただし、やはりネット証券の方が少しだけ低コストです。

<明日に続く>