50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ) 12

<昨日の続き>

VOO

昨日のSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)に続いて、今日ご紹介する外国株式ETFはVOOです。VOOは、SPYの低コスト版でアメリカのS&P500に投資しています。

チャート

最初に株価チャートを見ます。2010年9月の101ドルから、2021年1月には345ドルに成長しましたので、10年強で3.4倍になっています。また、それ以外に2%弱の分配金も毎年支払われています。

ファンドの概要

  • 設定日 : 2010/09/07 ⇒ 発売から10年強経ちました。
  • 金融庁届出日 : 2010/12/13
  • 基準通貨 : USD
  • ファンド純資産総額 : $ 6,201.7  億ドル( 約64兆円 2020/12/31 現在)
  • ETF純資産総額 : $ 1,776.1 億ドル ( 約18兆円 2020/12/31 現在) 日本最大のETFである1306を上回ります。
  • 主取引所 : NYSE Arca
  • 地域 : 米国
  • 時価総額/投資スタイル : 大型株 / ブレンド
  • 経費率(年率) 0.030 %

⇒ 経費率は0.03%と、極めて低い水準です。バンガード社は、率先して低コスト化を進めています。ウォーレンバフェットは、自分の相続財産の99%(約10兆円)をビル・ゲイツ財団に寄付し、残りの1%(約1000億円)を家族に相続することとしていますが、その運用方法は、9割をS&P500のインデックスファンド、1割を短期政府債で運用するように遺言に書いたことを公表しています。具体的銘柄としては、コストが最も低いVOOを勧めています。

投資アプローチ

  • S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指します。
  • 大型株を投資対象とします。
  • 完全法を用いたパッシブ運用です。
  • ファンドはフルインベストメントを維持します。
  • 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えます。

ベンチマークについて

米国の主要業種を代表する大企業500銘柄で構成される、S&P500指数に連動したパフォーマンスを目指します。

ETFの主なデータ 2020/11/30 現在

成株式銘柄数       509
時価総額の中央値     1,612 億ドル ⇒ 約16兆円
収益成長率        14.5 %
株価収益率        27.6 x ⇒ 日本の2倍近くあり、バブル気味です。
株価純資産倍率      3.8 x
自己資本利益率      19.6 %
非米国株式        0.0 %
回転率 ( 回転率 2019/12/31 現在) 3.9 %

トータル・リターン  2020/12/31 現在

3年    5年   設定来
基準価額(NAV)   14.14 %  15.18 %  15.03 %

(注)NAVとは、Net Aseet Valueの略で、投資信託の純資産の総額を指し、投資信託のバランスシートの資産から負債を差し引いたものです。

⇒3年、5年のトータル・リターンは14%、15%ですから極めて高くなっていて、最近のGAFAM(ガーファエム)とテスラの株価高騰を反映したものでしょう。設定来の15%については、設定時期が2010年なのでリーマンショック後の株価低迷時期にスタートしたことが大きな原因でしょう。それにしても、アメリカの株式に投資した人と、しなかった人の差は、この10年間で大きく開いたことが分かります。

セクター別構成比率  2020/11/30現在

セクター          構成比

Information Technology    27.6 % ⇒ ITはアメリカ株価上昇の原動力
ヘルスケア         13.7 % ⇒ 命は大事ですから、金を使います。
一般消費財         11.3 %
Communication Services   11.0 %
金融            10.4 %
資本財            8.8 %
生活必需品          6.8 %
公益             2.9 %
Materials           2.7 %
不動産            2.5 %
Energy            2.3 %

保有上位10銘柄 2020/12/31 現在

順位 保有銘柄
1 Apple Inc.
2 Microsoft Corp.
3 Amazon.com Inc.
4 Alphabet Inc.
5 Facebook Inc.
6 Tesla Inc.
7 Berkshire Hathaway Inc.
8 Johnson & Johnson
9 JPMorgan Chase & Co.
10 Visa Inc.
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 28.6 %

10,000米ドルを10年間投資したと仮定した場合の推移

5年後1.8倍、10年後3.6倍

横軸のメモリが見にくいのですが、一番左の12月10は、2010年12月、一番右の12月20は2020年12月です。2010年10月に1万ドルを投資すると、5年後には18,045.55ドル、10年後には36.578.46ドルに増加しています。

アメリカは豊かになり、日本は停滞

日本の銀行預金の利率しか知らない日本人には、にわかに信じられない数字ですが、これが現実です。日本人の老後資産は、最近20年間増加していませんが、アメリカ人の老後資産は、401(k)やETF、株式で運用されてきたので、このグラフと同じような動きを示してきました。