会社の福利厚生2:財形貯蓄

◎今日のテーマ:会社の福利厚生2:財形貯蓄

私は長年にわたって企業に勤めていました。その間利用していた福利厚生もありますし、私が責任者を務めていた福利厚生もあります。それらについて意見を述べたいと思います。

財形

「財形」、「財形制度」、「勤労者財産形成促進制度」は、勤労者財産形成促進法に基づいて、会社が社員の財産づくりを国とともに支援する制度です。

3種類の財形をフル活用

財形には「一般」「住宅」「年金」の3種類があります。私は50歳で家を建てるまでは「住宅財形」を利用し、その後は「年金財形」を利用しました。住宅財形の積立限度額は550万円、年金財形は385万円ですので、それ以上の積立は一般財形で行いました。

生命保険会社の利回りが高かった

財形制度を扱う金融機関は、銀行、証券、生命保険株式会社などです。私の利用した金融機関は、富国生命でした。生命保険会社の一般的な予定利率は次のグラフの通りです。1980年代から1980年代にかけて4~6%の水準でしたので、かなりの高金利でした。しかし、2000年代に入ると1.5%~1%まで低下してきましたので、あまり魅力のある商品ではなくなりました。富国生命は、日本生命などに比べると、会社の規模、知名度などが低いので、予定利率は高く設定していました。日本生命が1.0%の時に富国生命は1.5%でした。

富国生命は新規申し込みを休止

しかし、富国生命は、平成29年4月から新規加入の取扱いを休止しています。銀行の金利は、ほぼゼロの張り付いてままです。私は財形貯蓄制度の時代は終わったと思っています。

その理由は、

① 財形の予定利率が低下したこと

② つみたてNISA、iDeCoが登場したこと

③ つみたてNISA、iDeCoにふさわしい低コストのインデックスファンドが続々と現れたこと

です。

現在は、生命保険を中抜きして資産運用が可能

今この利率のグラフを見ると、30年前は随分と利率が高かったなあ、と思われるかもしれません。しかし、現在もこれ以上の水準をアメリカでは維持しているのです。それは、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などのリターンを見れば明らかです。30年前と、現在の違いは、利率ではなく、個人が利用できる金融商品と、それを扱う金融機関です。

10年以上の長期でリターンを期待

私は現在、日本、アメリカなどのETFを保有して、6%程度のリターンを期待できます。しかし、30年前は、そのようなことはできませんでした。従って、生命保険会社で財形を利用するしかなかったのです。生命保険会社には、4半期毎、1年毎の決算で一定の業績を上げなければならないという制約があります。しかし。私は10年、20年のスパンでリターンが取れればよいと思っています。従って、2年~3年間株価が低迷しても、何の影響もありません。これが長期資産運用をしている個人投資家の強みです。このため、制約の多い金融機関を使って、低金利の財形を利用する意味は、全く無くなったと思います。

財形と現在の積立商品を比較すると以下の通りです。

1980年代 2018年
財形住宅 つみたてNISA(住宅に限らず自由な用途)
財形年金 iDeCo
一般財形 課税口座の投信積立