ETFについて4

ETFについて4

アメリカのIFA

アメリカでETFが伸びている理由の一つに、投資アドバイザーの存在があるといわれています。投資アドバイザーとは、IFA(Independent Finacial Adviser:独立系金融アドバイザー)などです。

米国上場ETFの投資家別の保有比率
投資アドバイザー 55%
プライベートバンク口座勘定 24%
証券会社勘定 9%
投資信託 4%
年金基金 3%
ヘッジファンド 2%
その他 3%

日本の証券、銀行はコストの高い商品を売る

日本でETFを買う場合には、対面証券会社などを通して買うことになりますが、インターネットで売買する人以外は、窓口の担当者を通して買うことになります。すると、その担当者は、顧客にメリットがあるETFではなく、自分たちにメリットがあるアクティブファンドを薦めることになります。顧客がアクティブファンドを買ってくれれば、販売手数料とともに、毎年1~3%の信託報酬がチャリンチャリンと入って来ます。しかし、低コストのETFでは0.1%程度の信託報酬しか入って来ません。つまり、顧客の資産を減らして自分たちの収入を増やす行動をとるわけです。

IFAは資産運用残高に応じた収入

アメリカのIFAは、資産運用残高に応じた報酬を受け取るので、顧客の資産を増やすことが、自分の収入を増やすことになるわけです。その結果、低コストのETFを中心にポートフォリオを作成し、アクティブファンドの割合は減少することになります。

IFAも100%顧客のために行動しない

資産分散を図る観点からは、全世界の株式市場に投資することが良いのですが、その純資産総額は最近やっと1兆円を超えたばかりです。その商品特性からすれば、もっと普及してもよさそうですが、IFAはこの商品を勧めません。その理由は、この商品一つだけでポートフォリオが完結してしまうので、IFAは御用済みになってしまうからです。そこで、この商品を売らずに他の商品を売っているとのことです。

UBSの最低預入額は2億円

円グラフで次に大きいのがプライベートバンク口座勘定です。プライベート・バンクは富裕層を対象に総合的な資産管理を行う銀行で、アジアではUBSが有名です。ただし、富裕層が対象ですから、最低預入額は2億円だといわれています。しかし、プライベートバンクに高い手数料を払ったからと言って、高いリターンを保証してくれるわけでは有りません。プライベートバンクを使わなくても、あるいは使わない方が良いのではないか思います。

ウォーレン・バフェットの遺言を思い出してください。

遺言:「10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500(バンガード社を勧めます。)のインデックスファンドに投資することです。」

誰でもできる方法で、コストを抑え、十分なリターンを期待できると思います。

アメリカのETF急成長の理由

アメリカでETFが急成長している理由の一つが、ファイナンシャルアドバイザーがETFを買うべきだと助言していることです。しかし、具体的なメリットがなければ、その助言を個人投資家が受け入れることはありません。それに関するアンケート調査の結果は、やはり「低コスト」がトップです。

購入理由 複数回答(%)
低コスト 40
ファイナンシャルアドバイザーからの助言 33
セクターへの直接投資 30
インデックス運用 27
日中での取引 26
空売り 10