私の運用実績2021年10月 1:運用益は港区白金76㎡新築マンション相当

最近1年間の急騰は異常

2010年に投資を始めて以来、多少の凸凹はありましたが、比較的なだらかに上昇してきました。しかし、昨年の新型コロナショックの後の急騰は異常なような気がします。私の金融資産の元金は約1億円で、総額が2億円を超えたのは昨年12月ですから、10年間を要しました。しかし、それから10か月で5千万円増えたのですから、あまりに急ピッチです。多少の調整が入るかもしれません。

調整とは?

多少の調整というのは、2~3割減少するということで、株式投資に慣れていない人にとっては、とんでもない下落かもしれません。しかし2015年のチャイナショックの時には2割下落しましたし、リーマンショックの時には半分以下になっていますから、あまり異常な出来事ではありません。4~5年も待っていれば元に戻ります。

運用益

運用益は港区白金76㎡新築マンション相当です。最近の日本の不動産の買い手は中国人が多いとも聞きます。中国や韓国の不動産が値上がりして、日本の不動産が相対的に割安に思えるそうで、小規模な物件は中国の一般庶民が投資しているというニュースを見ました。その物件を事業用に貸すことによって、利回りが4%になるので、中国国内で預金するより良いのだそうです。そういえば、数年前の新聞広告で、日本のアパート経営によって7%の利回りが期待できるという売り文句を見ましたが、7%なら株式ETFやインデックスファンドと同レベルですから、流動性の低いアパート経営よりもETF投資の方が安全なような気がします。

なお、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の外国株式の期待リターンは7.2%ですからアパート経営と同程度です。外国株式は為替変動リスクがあるので国内株式よりもリスクは高くなります。下の図はリスク・リターンの図です。

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ドル/円の上昇

ドル/円は10月に年初来高値を更新し、約4年ぶりの114円後半まで上昇しましたが、これはドル高ではなく円安が主な原因です。10月に入ってからは、ドルが円以外の通貨に対して小幅下落する一方で、円はドル以外の通貨に対して大幅に下落しています。小幅なドル安の一方で大幅な円安が進んだため、ドル/円が上昇したのです。

円の独歩安

世界的にインフレが続く中で、日本だけがインフレにならなければ、円安は、116円、118、あるいはそれ以上に進むかもしれません。過去においてドル円相場はどのような経緯があったのか、確認してみましょう。

ミセス・ワタナベも読めなかった「永久円安」。もう2度と円高にはならない。(山田順) - 個人 - Yahoo!ニュース

ニクソン・ショック(ドル・ショック)

1971年8月15日に発表された、米ドル紙幣と金との兌換一時停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制の終結を告げた新しい経済政策をいう。

ブレトンウッズ体制と崩壊

ブレトンウッズ体制とは、第二次大戦後に米国を中心に作られた、為替相場安定のメカニズムです。1944年、米国にあるブレトンウッズホテルに連合国の代表が集まって決められたので、「ブレトンウッズ体制」と呼ばれています。この時、国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(IBRD)も設立されます。

これは、第二次大戦の遠因でもあった為替相場切り下げ競争の再発を防ぎ、戦後の復興に欠かせない貿易の円滑な発展のための決済システムを作ろうというものです。基本的には、戦前の金を国際決済手段とする金本位制への回帰ですが、過去と異なる点は、各国通貨と米ドルの交換比率を固定し、ドルだけが金と交換比率を固定するという、ドルを間に挟んだ金本位制です。これを金・ドル本位制と呼ぶこともあります。

金とドルの相場を固定し、ドルと各国通貨の相場を固定するということは、金本位制と実質的には同じと思われるかもしれません。違いは、金本位制では各国間の決済が原則的には金で行われていたのに対し、金ドル本位制ではドルで行われたということです。金は紙の通貨と違って貿易量の増加に従って柔軟に流通量を増やすことが出来ません。近代以降の経済規模の急速な拡大の前に、金を決済手段とする利便性は大きく低下していました。通貨発行量が拡大しやすい一国の通貨、米ドルが金にとってかわったのです。

それならば金・ドル本位制ではなく、ドル本位制にすればいいではないかと思うかもしれませんが、まだこの時代は、国際通貨は、使用者が共通の価値を認める何かしらの物的な担保を持たねばならないとの固定観念から抜け切れてなかったのだと思います。しかし、金の量は増えないのにドルの量は経済回復につれて増えていきます。増えない金を担保に米ドルが増発されるという点にブレトンウッズ体制の矛盾がありました。誰の目にも、ドルの金との交換比率が下落していくのは自明でした。

ニクソンショックによってこの金・ドル本位制が崩れました。各国の通貨価値が、アンカーなく変動相場制を漂うことになったのです。では、国際通貨制度は担保を失ったのでしょうか。その後、主要国政府中銀は、通貨や金融の安定のために共通の金融規制作りやマクロ政策協調に力を注ぎました。この国際協調というソフト・コラテラルこそが、金に代わる国際通貨制度のアンカーとして発展していったのだと思います。

<プラザ合意以降については、明日に続く>