老後のために50代で何をすべきか 2

<昨日の続き>

昨日のプラン編は、なんとなくこんな感じかなあ、という程度の、あまりあてにならない数字です。しかし、今日のアクション編は、今後自分がどう行動するかを明示するものなので、参考にすべきところは取り入れたいものです。

1.収入を増やす

方法1 妻も働いて収入を得る

家計を改善して貯蓄を増やすためには、まず「収入を増やす」のが有効です。実践可能な方法を検討しましょう。

例えば、妻が専業主婦の場合、空いている時間を使ってパートタイムで働くことができれば大きな効果が生まれます。毎月5万円の収入でも、年間60万円になります。10年続ければ600万円、15年続ければ900万円です。それだけ家計の改善に役立つ可能性があるのです。

⇒ 私(江戸庄蔵)の連れ合いも、子供が10歳の頃からパートタイムの仕事を始めて、現在では20年以上働いています。最初は大学生協でしたが、その後、簿記2級、秘書検定1級、エクセル・ワードの資格を取得して、現在は会社の経理・事務職として働いています。時給は大学生協の2倍になりました。

方法2 60歳以降も働いて収入と年金を増やす

⇒ 私も連れ合いも60歳以降も働きました。私は親の介護をしたので、フルで働かずに、在職老齢年金が減額にならない程度の時間で働きました。フルで働くかどうかの判断は、収入の金額や在職老齢年金だけでなく、趣味の時間の確保、65歳以降の本格リタイアに向けての準備、親の介護、自分の健康など様々の条件の中で決めることになるでしょう。かなりの割合の人は、住宅ローン、子供の教育費など、金銭面での必要性が減少する時期ですので、慎重に考えた方が良いと思います。特に、有名大学を卒業してエリートとして過ごしてきた人は、60代で引退した時に、生きがいが突然なくなってしまうことが多いようです。そして、鬱状態になる人もいます。60代になると、無理をして社会の役に立ちたいと思わずに、まず自分が好きなことに没頭できればそれで十分ではないかと思います。小学生、中学生の時に、時間を忘れて役にも立たないことにのめり込んでいたことがヒントになるかも知れません。

知っておきたい妻の収入と夫の税金

  • 扶養控除の「103万円の壁」が2018年から150万円に
  • 社会保険料の負担にも注意

⇒ 連れ合いは、時給が高くなる仕事に就いた時点で、扶養控除、社会保険料の負担は割り切りました。

2.支出を減らす

削減できそうな出費を洗い出して家計を見直す

  • 食料費:毎月数千円程度でも削減可能?
  • 住居費:借り換え、繰り上げ返済、ダウンサイジング
  • 電気やガス、水道のムダ遣いはないかチェック
  • 携帯電話料金等通信費の削減余地は?
  • 子供の理解が得られるなら奨学金の利用も?
  • 保険の見直し
  • 交際費・教養娯楽費は、削減の意識を強く持てば毎月1~2万円の削減も可能に?

⇒ 我が家の食料は、マメに必要な分だけ買うのであまり無駄が出ません

⇒ 住居費:テレビのキャスターが自分の番組で、住居のダウンサイジングがテーマの番組を放送したのをきっかけに、自分もやってみて、さらに借り換えをしたら、月々の住宅ローンが減って、そのうえ、その後、既に完済したそうです。65㎡のマンションから50㎡台に引っ越しました。

⇒ 私の携帯電話は昨年楽天モバイルに変えて、大幅に料金が減りました

⇒ 保険は、子供が大学を卒業するまで団体生命保険に入っていればよいということを知りましたので、55歳でほとんどすべての保険をやめました。生命保険会社の部長は、自分の会社の福利厚生としての団体生命保険しか入らないそうです。

3.貯蓄計画を立てる

  • 目標額と期間から積立額を決める
  • 利回りが上がればスピードアップ
  • 積立形式で利用できる商品や制度
  • 限度額までの利息が非課税になる財形
  • 税制のメリットが大きい確定拠出年金
  • 値動きのある金融商品こそ「積立」を活用

4.資産を運用する

  • 預貯金にもリスクがあることを知っておく
  • 円安が進んだ時のリスクもある
  • 資金の目的と使用時期に合わせて運用する
  • 安全性と収益性は表・裏の関係
  • 資産運用のポイント
  1. 集中投資をしない
  2. 買う時期・売る時期も分散する
  3. 様々な資産に分散しておく
  4. 資産に占める株式の割合を高くし過ぎない
  5. 仕組みが理解できない商品は利用しない

知っておきたいワンポイント情報編

1.退職金を受け取る前に

  • あらかじめ計画を立てておきたい「使いみち」
  • 受け取る前に考えておく
  1. 勤務先などの退職金制度と受け取り方法を確認しておく
  2. 使い道と金額を見積もる
  3. 残る金額があれば、預け先・運用先を検討しておく

「受け取り方」で変わる退職金の税金

  1. 一時金で受け取る場合:「退職所得」となる
  2. 年金で受け取る場合:「雑所得」となる
  3. 一時金+年金で受け取る場合:一時金部分は退職、年金部分は雑所得として課税される
  • 退職金の運用でやってはいけないこと
  1. 退職金を増やそうと思って、慣れない投資商品に一度に数百万をつぎ込んで損を抱えるケース
  2. 完済を急ぐあまり大半を住宅ローン返済に回して生活資金に影響が出てしまうケース

2.なるべく長く働くには

  • 60歳以降の継続雇用や就業確保の制度が拡充
  • 再就職や独立して働くなら、時代にあったスキルを磨く

3.リタイア後の健康保険は

  • 退職後も健康保険の支払いは続く:選択肢は3つ
  1. これまで加入していた健康保険の任意継続保険者になる
  2. 国民健康保険の被保険者になる
  3. 健康保険に加入する家族の被保険者になる

4.リタイア後の住まいは

  • どこでどのように住むか:早めに計画を立てておく
  • 持ち家に住み続けるならリフォームを予定
  • 持ち家にこだわらず選択肢を広げてみる

5.介護施設の種類と費用は

  • 親も自分たちも元気なうちに情報を集めておく
  • 要介護認定の有無で利用できるかどうかが決まる
  • 高齢者向け住宅・施設のチェックポイント

6.成年後見制度とは

  • 法定後見制度(後見・補佐・補助)と任意後見制度

7.遺言・エンディングノート

  • 遺言の方式は法律で決められている
  • エンディングノートを作るメリット

8.相続と贈与

  • 相続の基本
  • 贈与税(暦年課税)の仕組み:110万円まで無税
  • 相続時精算課税の仕組み