ウォーレンバフェットの発言と行動

賭博場

アメリカ著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、金融市場でギャンブルのような動きが続いていると指摘します。これは、投資会社バークシャー・ハザウェイが4月30日にネブラスカ州オマハで開いた年次株主総会で、同社最高経営責任者(CEO)のバフェット氏が行った発言です。彼は「市場は賭博場のようだ」と語り、リスクの高い投機的動きを助長しているとして金融業界を批判しました。

ギャンブル

バフェット氏の長年のビジネスパートナーであるチャーリー・マンガー氏もこの嘆きの声に同調。「現在われわれが目にしている毎日の純粋なギャンブル行為の規模は、これまで経験したことのない類いのものだ。ひどい状況だ」と語った。

バークシャーにとってはチャンス

しかし両人とも、他者による「ギャンブル行為」が、1060億ドル(約13兆7800億円)の手元資金の一部を投資しているバークシャーにチャンスを提供していると述べています。

CNBCの2022年4月30日の記事で、バフェットの発言を確認しましょう。以下は拙訳です。

ウォーレン・バフェットは、バークシャー・ハザウェーの投資とウォール街を賭博場だと話した

  • バークシャー・ハザウェーの第1四半期利益は117億ドルから54.6億ドルへと53%縮小した
  • しかし、会社の営業利益は前年比で少し上昇し70.4億ドルとなり、より良い業績となったと、CEOのウォーレン・バフェットは言います
  • 第1四半期のバークシャー・ハザウェーの投資額は前年の47億ドルと比べ、15.8億ドルに縮小した

バークシャー・ハザウェーの第1四半期利益は、投資の帳簿上は大きく変動して53%以上下落しましたが、会社の巨額な現金残高の一部を使う方法をウォーレン・バフェットが見つけ、そのことが土曜日の年次総会で株主の語る材料となりました。

バークシャーによれば、第1四半期の利益は54.6億ドル、クラスA一株当たり3.702ドルです。前年同期の11.7億ドル、クラスA一株当たり7.638ドルから下落しました。

しかし当期における重要な変化は、510億ドルを株式に投資したために、年初に1470億ドルだったバークシャーの巨大な現金が106億ドルに縮小したことです。バフェットは、32億ドルを使ってバークシャー株も購入しました。

バフェットは、2月26日の毎年の株主への手紙の中で、魅力的な価格で買うものを見つけるのに苦労していると書いたすぐ後に、バークシャー社は次の3週間で400億ドルを株式に使い、中でも最大なのは、46億ドルを3月初めに1日で使ったことを土曜日に株主に話しました。

第1四半期において、バフェットはコングロマリットのアレグハニー保険を116億ドルで買うこと、HPに数十億ドル、オクシデンタル・ペトロリアムに投資することに同意しました。バフェットは3月前半にオクシデンタルの株を14%買い増して保有割合を増やし、既に大量に投資しているアップルの株式を当期に買い増した。しかし、株式購入の全貌をまだ明らかにはしておらず、今年バークシャーが投資したすべてがすぐに公開されるわけではありません。

しかし、四半期報告で、石油大手のシェブロンの株が年初の45億ドルから、四半期末には260億ドルへと増加して、バークシャー社の4大投資先になったと、四半期報告書で明らかにしました。シェブロンとオクシデンタルの投資を合計すると、バークシャーは今オイルセクターに400ドル以上投資していると、エドワード・ジョーンズ・アナリストのジム・シャナハンはいいます。

ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーの投資は「正気」

多くの人は株にやたらと投機して、「賭博場」のような有様になっていますが、バークシャーはその事実を利用することができると語りました。

「時々、バークシャーは何かをするチャンスを得るが、それは私たちが賢いからではない。正気だからだ」とバフェットは言いました。

過去2年間、相場が高騰していくにつれ、株式市場は常軌を逸した投機が行われたと、バフェットの投資パートナーであるチャーリー・マンガーは言いました。

「株式について何も知らない人たちは、もっと知らない証券会社のアドバイスを受けている」とマンガーは言います。

バークシャーの営業利益は投資損益を除外するので、会社業績を測る良い尺度だとバフェットは言います。その物差しによれば、バークシャーの利益は70.4億ドル、クラスA1株当たり4,773.84ドルをしっかり確保し、1年前の70.18億ドル、クラスA1株当たり4,577.10ドルから上昇した。

この業績はウォール・ストリートの予想を上回るものだ。ファクトセットが調査した4人のアナリストは、クラスA1株当たりの営業利益は4,277.66ドルという報告バークシャーがすると予想していました。

バークシャーは土曜日に、自社が保有する鉄道、公益、製造などのほとんどのビジネスで利益が改善したと言いましたが、保険会社の保険所得は下落しました。

投資に加え、バークシャー・ハザウェーは、BNSF鉄道、数社の大手公益会社、ガイコ保険、種々のメーカー、小売り企業など90以上の事業を保有しています。数万もの株主はこの会社の本社からさほど遠くないオマハ会場に土曜日に押しかけ、バフェットとバークシャーの副会長が何時間もかけて、どんな質問にもすべて答えるのを聞きました。

日本人投資家の平八郎・ハッチ・岡本は今年初めてこの総会に出席したのですが、自分が日本で働いている証券会社で、アメリカ株式市場への投資にとても関心があると聞いていたことも理由の一つでした。

「バフェット氏はアメリカ株式市場の代理人のようなもなので、ここで本人を見たかった」と岡本は言いました。