厚切りジェイソンさんの投資方法 中

<昨日の続き>

ジェイソン流の投資は「長期分散」

ー例えばリーマンショックのようなことが起きると、世界中でお金の流れが凍結してしまって、いろいろなものに分散していてもすべてが下がってしまう。だからいろいろな卵をたくさんカゴに入れても、それを落として全部割れちゃうみたいな状況になることもあるんですけど。こういうのにはどうするのがいいんですか?

ジェイソン:待てばいいんじゃないですか。それは冷静に、計画通り、少しずつ買い増しの機会なんですよ。さかのぼってみると、アメリカの株の市場のデータがずっと残っているんですけど、どんな悪い期間でも20年期間で見たときに、最低でも3.49倍になっているんですよ。それは戦争であろうがリーマンショックであろうが同時多発テロであろうがコロナショックであろうがウクライナの話、どんな期間でも20年待つ。過去に世界が終わるような危機でも大丈夫だったら、将来はどのような危機があっても、きっと20年後は大丈夫だと僕は自信持っていますね。

ーそうすると、長い時間をかければ。

ジェイソン:長期。しかも、一時的に暴落している間にずっと買い増し、積み立てていくのを継続していったら、より安い金額で株をより買える。信託の口をさらに買えるようになるので、戻ってくるときの自分のリターンがその分加速していくんですよ。

ーああ。同じお金で、安くなったときにはたくさん買える。

ジェイソン:そうです、そうです。で、今は暴落したから、さらに全財産をぶち込むとかじゃないんですよ。計画通り。例えば、「つみたてNISA(個人投資家を対象にした優遇税制)」は税金的にちょっと有利になる仕組みがあるんですけど、それは確か今ですと月3万3333円まではできて、年間40万円。それをずっと毎月満額だけをやるのを20年40年続ければ、ある程度増えるようなことは期待できると僕は自信を持っています。

ーそうすると長い期間をやるっていうことは、若いうちから始めないとダメ?

ジェイソン:若い人が、より期間は長くなるんですけど、だからって今は100年時代じゃないですか。だから50歳の人でも50年分の期間がありますよ。だから昔やっておけばよかったと思っていても、だからと言ってこれからはできないという理由にはなりませんよね。中国のことわざだったかな。「木を植えるには、いちばん良かった時期は20年前。でもそれをやらなかった人にとって2番目に良い時期は今だ」。今しかない、今やらなければ結局何も起きないという考えですね。

ーリスクを減らしながら投資で結果を出すにはどうしたらいいっていうことなんですかね?

ジェイソン:感情的にならないで冷静に計画通り少しずつやっていく、長期分散積み立てでやっていけばいいと思いますね。

長~い目が大事

ー投資先として株式とか投資信託とか不動産とか仮想通貨等ありますよね。それぞれジェイソンさんの評価ってどうですか。

ジェイソン:さっき言ってた「安全性・収益性・流動性」で考えてみますと、例えば不動産だったら、ビルのことと土地のことがセットになってて、それを家賃収入をもらうためにやっている人が多いと思うんですけど、まずはビル自体の価値が下がるんですよ。日本だと。30年おきに更地にしてもう一回作り直すとなると、投資額の半分くらいがなくなる前提で動いていると考えると、安全性はどうなのかなと思うんですよ。で、その流動性。自分がマンション一棟を買って、お金が必要になったから売りますとなったら、すぐ売れることじゃないし、契約するまでは時間がかかるし、結構流動性が悪いんですよ。で、収益性は、まぁそこまで悪くはないかもしれない。家賃収入がずっともらえるから収益性は良いかもしれないですけど、安全性と流動性が悪い分、僕はあまりお勧めできていないですね。やりたい人は何か理由があってやってもいいんですけど、僕はやりません。

仮想通貨は流動性が悪い、安全性はゼロに近い。で、収益性は誰も読めない、ゼロに近いと思っています。僕はノータッチ。絶対にやりません。

あと株式。株式の個別銘柄。これは流動性はいいですよね、株式市場がずっと動いていたら基本必要な分だけをいつでも得ることは可能ですし、妥当な値段で、市場が動いている値段で売れます。収益性はまぁいいですよね。安全性はちょっと読めないところがあります。安全性は△にしておきましょう。

投資信託。いくつかの個別銘柄をセットで合わせるような意味の金融商品なんですけど、これは収益性は株の良いところもあります。まぁ分けているから一か八か明日までに億万長者じゃないかもしれないですけど、長期で考えたときに6.4%くらいの利回りが最低で想定できるという話だから収益性はあり。流動性も、株式と同じように市場が動いている間だったら必要な分いくらでも売れるから流動性も良くて。安全性は分散されているから、ある程度いくつかの会社がダメになったとしても別の業界にも投資していますし、別の事業とか別の国とかが占めているような売り上げとか、いろいろなことが分散しているから、ある程度安全性リスクの管理ができているものになるので、僕は投資信託がいちばんいいとお勧めしていますね。

ー投資信託の中でもアメリカの投資信託をお勧めされていますよね。これはなぜアメリカなのですか?

ジェイソン:アメリカが利益を出しやすい状況だとは思うんですよ。投資する目的はいくつかあるんですね。例えば投資することによってその会社がお金を使って、さらに社会のためのサービスとか社会のための製品とかを出すことが目的、その社会の調和性を作るためとかいろいろあるんですけど。もう1つが、実際にリターンを、実際に利益が出たところを自分の見返りというんですか、自分に戻ってくることですね。

アメリカでしたら、社会性よりも利益を優先することができている国なんですよ。例えば会社が大変になりそうだったら、簡単に首を切ることができて、コストを削減できて、利益だけを担保するようなやり方で。

で、日本はすばらしい国ですし、すばらしい会社がいっぱいありますし、すばらしい社会ではありますけど、社会と国の人たちが守られているから、会社が苦しくなってきたら簡単にその人を犠牲にして利益を作ることが難しいんですよ。で、利益だけの基準で考えていると、やっぱりアメリカの状況ほど利益を出せる国、状況はなかなかないと僕は思っています。

ー利益を出すという意味で、アメリカの企業が最も利益を出すことに熱心な企業であると。

ジェイソン:日本は熱心じゃないということではもちろんないんですけど、ほかの守らないといけない法律とかいっぱいあるから。単純に利益だけで考えた基準でしたら、日本はアメリカの会社に勝てません。

もう1つは、アメリカの企業がアメリカ国内だけじゃないんですよね。それは日本とアメリカだけじゃなくてヨーロッパにもアメリカの会社がありますし、インドもそうですし、他のアジアにもありますし、中国とかオーストラリアとかアフリカとか、僕の聞いた話ですと世界のGDPの6割がアメリカの会社から来ているんですよ。そうするとアメリカの会社全体を投資することによって十分世界の経済に分散投資できていると僕は見ています。

<明日に続く>