血糖値を下げる方法 中

<昨日の続き

今日は、2021年に放送された番組のアーカイブです


血糖値制御のスゴ技

日本人の5人に1人が糖尿病患者、もしくは糖尿病予備軍と言われています。糖尿病の厄介なところは、自覚症状がないこと。気付いたときには、様々な合併症を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるだけでなく、新型コロナウイルスの重症化リスクも上昇すると言われています。そこで今回は、糖尿病の落とし穴や血糖値を制御する方法を専門医に教えてもらいました。

糖尿病の種類

糖尿病は大きく1型糖尿病、2型糖尿病、その他の型に分けられます。今回は糖尿病の約90%を占める2型糖尿病について紹介していきます。

<糖尿病の種類>

  • 1型糖尿病:膵臓の機能が壊れてインスリンの分泌ができなくなり、発症する糖尿病
  • 2型糖尿病:主に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が原因で発症する糖尿病

糖尿病予防に欠かせない「血糖値制御」

糖尿病の診断基準の一つは、血液中のブドウ糖濃度を示す「血糖値」です。血糖値は、日々様々な要因で変動しますが、通常は上がり過ぎることなくコントロールされています。そのコントロールに大きくかかわっているのがインスリンです。インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで血糖値を一定に保つ働きをしています。しかし、何らかの問題があってインスリンが上手く働かないと血液中に糖が余り、血糖値が上昇してしまうのだとか。そのため、糖尿病予防には血糖値の制御がとても大切だそうです。

あなたは大丈夫!?血糖値上昇チェック

血糖値の上昇しやすさをチェックしましょう。一つでも当てはまる場合は、血糖値の制御ができていない、そして将来糖尿病になる可能性があるそうです。

<血糖値上昇チェック>

□ご飯やパン・麺類が大好き
□よく早食いをする
□朝食を抜くことがある
□おなかがポッコリ出てきた
□運動不足

健康診断ではわからない糖尿病の落とし穴

血糖値は、様々な要因で変動するため、健康診断の空腹時血糖値が正常値でも安心はできません。健康診断ではわからない糖尿病の落とし穴をご紹介します。

糖尿病の落とし穴①隠れた糖質

お米や小麦粉などに含まれる糖質は、吸収が速いため血糖値が急激に上昇します。また、ラーメンや丼ものなど糖質が多い単品だけの食事は、血糖値の急上昇を招く危険があるそうです。

糖尿病の落とし穴②インスリンが足りない

インスリンの分泌量が少ないと、血糖値を制御することができません。元々アジア人はインスリンの分泌量が少ない傾向にあるため、太っていなくても糖尿病になりやすいと言われているそうです。

糖尿病の落とし穴③噛まずに早食い

よく噛んでゆっくり食べると、腸から満腹感に関する「GLP-1」というホルモンが分泌されます。すると、そのホルモンが膵臓に働きかけてインスリンの分泌を増加させるのだとか。そのため、糖質の多い食事をかまずに早食いしているとインスリンの分泌が促進されず、健康診断時の空腹血糖値が正常でも糖尿病予備軍になる恐れがあるそうです。

糖尿病の落とし穴④インスリンが効きにくい

内臓脂肪が増えると、インスリンの働きを悪くする悪玉物質が増加し、血糖値が下がりにくくなってしまうそうです。

糖尿病の落とし穴⑤朝食を抜く

1日の最初に食べる食事が次の食事の血糖値に及ぼす影響のことをセカンドミール効果と言います。朝食をとるとインスリンが分泌され、夕食まで効果が増強されるので血糖値の上昇を防ぐと言われているそうです。逆に、朝食を抜くと昼食後に血糖値が上がりやすくなるそうなので注意しましょう。

成功者から学ぶ!血糖値制御の対策

対策法①よく噛んでゆっくり食べる

よく噛んで食べると、インスリンの分泌量が増加して血糖値が上がりにくくなるそうです。

対策法②個食で小鉢を増やす

食事は、大皿に盛るよりも小皿にして野菜や小鉢を増やすようにするのが良いそうです。

対策法③加糖されたものをやめる

血糖値が上がりやすい加糖の清涼飲料水や菓子パンなどは控えるのがおススメです。

対策法④ベジタブルファースト

最初に野菜などの食物繊維を摂取して腸の表面を食物繊維でコーティングすると、糖の吸収が穏やかになるため、血糖値制御につながるそうです。また、先生によると最初にたんぱく質を摂取する「プロテインファースト」もおススメ。最初にたんぱく質を摂取すると、インクレチンというホルモンの分泌を促し、インスリンの分泌を増加してくれるのだとか。方法は、大豆やチキンなどをサラダに乗せて、まずタンパク質から食べ、その後サラダを食べきりましょう。5分くらい以上たってから炭水化物を食べると良いそうです。

対策法⑤運動で内臓脂肪を減らす

血糖値制御で大切なのが、内臓脂肪を減らす運動です。中でもおススメは、スクワット。足の大きな筋肉を鍛えるため、糖を効率的に細胞に取り込めるのだとか。さらにウォーキングなどの有酸素運動を併せて行うと、より効果が期待できるそうです。

<明日に続く>