日経デジタル掲載2年後の状況:十数年で1億円が2.8億円に増加(生活費に充当した2千万円を加えれば3億円)

一昨年6月15日、日経デジタル版に私(江戸庄蔵)の記事が掲載されて、ちょうど2年が経過しました。2年も経つと状況が大きく変わるので、現状のデータ、状況変化についてアップ・デートします。変化があった場合には、今年を赤で示します。


 

江戸庄蔵さんのシニア運用、ETFで資産2億8千万円超に増加

投信ブロガー

 

ブログ「江戸庄蔵と連れ合いと娘と息子の世界株式投資:ETF、インデックスファンドに投資して十数年で1億円が2.8億円に増加(生活費に充当した2千万円を加えれば3億円)」を運営する「江戸庄蔵」さんは、60代半ばの男性。会社員と団体職員を経て、現在は年金を受給しながら会社員の妻と東京の持ち家(現金で購入)で暮らしている。

ブログでは、特別な工夫や売買をしなくても、株式ETF(上場投資信託)やインデックスファンドで資産を増やせることを伝えている。実際、約1億円を元手にしたETF投資は13年ほどで資産が2.8倍に増加し、妻も元本約5000万円が9千2百万円まで膨らんだ(2023年6月時点)。ETFの売買には大手証券の口座を利用しているという江戸庄蔵さんのシニア運用を聞いた。

57歳で初めて株式ETFを購入

――投資を始めたきっかけを教えてください。

「勤めていた会社が企業型確定拠出年金(DC)を導入した02年に、外国株式の指数に連動するインデックスファンドに投資したのが最初です。この時47歳でした。従業員向け持ち株会には入っていました。会社で企業型DCと持ち株会の役員などを務め、退職後に再就職した団体で保険や厚生年金基金にかかわったことで、資産運用に関する知識をそれなりに蓄えました」

「55歳になった時に退職金で、当時金利が魅力的だった外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)を購入したのが最初のまとまった投資です」

「ETF投資を始めたのは57歳の時です。個別株の保有はリスクが大きいと考えて、持ち株の全てを売却し、日本株ETFを購入しました。59歳からは、より高いリターンが期待できる米国株を中心とした海外株ETFへの投資を始めました」

「その他、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)を利用して、毎月3万3000円で海外株インデックスファンドに積み立て投資しています。企業型DCへの新たな拠出はできませんが、運用は継続し75歳から年金で受け取る予定です」

――運用商品の配分や資産額を教えてください。

「金融商品の資産配分比率は現在、海外株ETFが約68%、日本株ETFが22%、残りが外貨建てMMFなどです(図A)
図A

「外貨建てMMFは一時5500万円くらいまで保有していましたが、大半を換金。それをETF投資に回した結果、預金、退職金と約2500万円の持ち株売却金を合わせた元本約1億円が時価で2億8千万円(生活費に充当した2千万円を加えれば3億円)を超えるまでに増えました(23年6月時点)」

「株式ETFは長期保有でリターンが期待でき、分配金も魅力的です。厚生年金などの年金で老後の生活費は十分賄えるので、余裕資金はすべてETF投資に回しても構わないという考えです。それで資産が2.8倍に増えました」

「臨時の生活費が必要な時はETFを売却して充当しますが、ETFの随時一括投資を続け、『買いっぱなし(バイ・アンド・ホールド)』で保有してきました」

「ファンド選択の条件は、運用コストの信託報酬が年0.2%以下、運用資産規模がETFは1兆円以上、インデックスファンドは1000億円以上です。アクティブ(積極)運用ファンドは、コスト面で不利とみて購入していません」

図B

「妻も私の勧めで07年から投資を始め、現在は海外株ETFが約55%、日本株ETFが約39%と、株式ETFが資産運用の主体です」

ETF売買は対面型証券で手軽に

――大手証券会社の口座で運用していますね。

「私も妻も若い時に開設した大手証券の口座を通じて資産運用しています。ETFの売買手数料はネット証券より高めですが、頻繁に売買しないので、購入時に一度だけかかる手数料は全く気にしていません」

「対面型証券でETFは手軽に売買できます。中高年の方で、ネットを使った口座開設や売買注文に抵抗を感じるなら、対面型証券の利用で十分だと思います。私自身は、ETFの売買注文を以前は電話で済ませていましたが、今はネットで取引しています」

「ネットを普段から使いこなしている子供2人はそれぞれネット証券で、一般NISAとつみたてNISAを活用して海外株インデックスファンドの投資を始めました」

――ブログを始めたきっかけを教えてください。

「簡単に買える株式ETFで高いリターンが期待できることがほとんど知られておらず、特に中高年の方に自分の経験が役立つのではないかと思い、17年にブログを始めました。子供2人の独立を機に、今は若者向けの書き込みも増やしています」

リーマン・ショックで夫婦仲に亀裂

――投資を始めてよかったですか。

「もちろんよかったです。妻とあわせた資産額が大きく増え、経済・金融の知識を蓄えていくなかで胆力も身につき、友人や子供たちに自信を持って的確な助言ができるなど、多くの実りがありました」

「人生と投資は常に中間評価しかできません。この先は何が起こるか分かりませんが、現在はどちらにも成功感を抱いています」

――失敗談はありますか。

「妻に投資を勧めたのが運悪くリーマン・ショックの直前で、その後評価額が半分になりました。夫婦仲が一時険悪になり、そのうえ相場が下がりすぎて追加投資する気も起きず、絶好の投資機会を逃しました。ただ損切りなどせずに保有し続けたことで現在までに大きな評価益が出ており、妻は喜んでいます」

――これから投資に踏み出す方にアドバイスを。

「情報が氾濫しているため、投資初心者が商品を選び抜くのは難しいように感じています。おススメは、米国株や日本株ETFの中でも純資産残高が大きいETFです。ETF以外なら『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022』で上位入賞した全世界株や海外先進国株式型のインデックスファンドを選ぶのがいいと思います」

「シニア層なら余裕資金の範囲内で株式ETFを購入して、最低10年間はほったらかしにし、できれば買い増していくことです。その間に様々な学びがあります。私がETF投資を始めたのは50代後半です」

「20~30代でしたら、仕事と自己投資を最優先し、生活資金に余裕があれば個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなどを活用して、早くから投資を始めるのが得策です」

「娘や息子もネット証券で本格的に低コストインデックスファンドの投資を始めています。私の勧める銘柄は次の3銘柄です。

  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

娘の現在のポートフォリオは、下図の通りです。