日銀の立て直し

<速報>

投信協会、新NISA「成長投資枠」の対象ファンドを公表=第1弾

(出所)金融庁ホームページ、赤枠は時事通信社が追加

(出所)金融庁ホームページ、赤枠は時事通信社が追加

 投資信託協会は、来年1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」で投資できるファンドを公表した。「成長投資枠」では、①信託期間が20年未満 ②高レバレッジ型 ③毎月分配型-のファンドには投資できない。

運用各社が、条件を満たすファンドを投信協会に報告し、協会がそれを取りまとめた。今回は第1弾で、公募投信941本と、上場投信(ETF)・不動産投信(REIT)91本が掲載された。今後も、約定を変更するなどして条件を満たしたファンドを毎月追加していく。

新NISAは、株式や投資信託に投資できる「成長投資枠」と、長期の積立・分散投資に適した投資信託に投資する「つみたて投資枠」の2制度がある。成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は同120万円、それぞれ投資できる。二つの枠の併用が可能で、生涯に利用できる非課税保有限度額は1800万円とされている。

【投資信託協会】NISA成長枠投資の対象商品
https://www.toushin.or.jp/static/NISA_growth_productsList/


2023年6月16日に日銀は金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決定しました。


日銀は、16日までの2日間、金融政策決定会合を開き、長期金利と短期金利に操作目標を設ける今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。長期金利の変動幅についてもプラスマイナス0.5%程度と、これまでの内容を維持しました。

今回の会合で日銀は「イールドカーブ・コントロール」という枠組みで、短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ%程度に抑える今の大規模な金融緩和策を維持することを全員一致で決めました。

また、長期金利の変動幅についてもプラスマイナス0.5%程度のままとしました。

賃金の上昇を伴う形で日銀が目指す物価安定の目標を実現するために、今の金融緩和策を粘り強く続ける必要があると判断した形です。

円売り進む

日銀の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決めたことを受けて、16日の外国為替市場では円を売る動きが強まりました。


日銀総裁が交代しても、相変わらず財政ファイナンスは続いています。金融政策の正常化について、日銀元理事等が語っていますので、それを見てみましょう。


2023年5月9日 文芸春秋 どうする?上田日銀 伝説のディーラーと日銀元理事の金融放談 藤巻健史✖山本謙三

問:日本銀行はどうすれば良いのか?進むべき道をお知らせください。以前、日本銀行は正常化までに9年かかるんではないかという論文出されました。

山本:私たちは市場経済の中にいて、日銀は市場経済の中の中央銀行なんで、市場機能の回復を図るのが最大のポイントです。市場機能を低下させてきた最大の理由は、国債の大量購入、長短金利の抑え込み、ETFの大量購入という3つですから、そこからどうやって脱却していくのか?

それを脱却すること自体は、これは藤巻さんとは意見が違うかも知れませんが、ある意味で可能ではないか。

問題は、その後に正常化と言うときに2種類あって、金利を自由にするのがまず最初にやること

2つ目はこれまで大量に購入してきた資産をどうやって減らしていくかということです。これはさすがに、マーケットの混乱を引き起こさないで徐々にやっていこうとすると、典型的には国債なんですが、4百何十兆円もっていますが、それを落とす、つまり、マーケットに売りに行くのはさすがに無茶だと思います。したがって満期が来る都度落としていく。当座預金は、平時だと30~40兆円あれば十分だと思います。今は5百何十兆円になっています。これをそこまで落としていくのに何年待って、満期が来て国債残高を落として計算が合うだろうか?と言うのを計算したら9年かかる。これは正常化の最終的な着地点なんだろうと思います。

マーケットの金利さえ自由に動けば、そんなことする必要はないじゃないかという人はたくさんいるし、マーケットの金利を自由にすればそれは可能なんですが、でも、我々はここまで国債を引き受けません、財政ファイナンスとは違いますと、世の中にはっきりと明示していくためには、日銀は常にいざとなったら国債を買います、ではなくて、きちっと、国債残高を減らしていきますというスタンスを世の中に明示して、世の中の人々、あるいは、政府政治家を含めて、理解してもらうためには、国債残高をきちっと落としていく姿勢。

それは、株も同じで、これはもっと時間がかかる。9年では終わらないが、株の残高を徐々に徐々に、小さな規模で売り戻していくということを考えたほうが良いなと思います。こっちは、30年とか、60年かかるのかもしれません。

問:本当の意味の正常化にはかなりの長期スパンが必要と言うことですか。

山本:はい、逆に言うと、この10年間でかなりの規模の買い入れをしてきたということです。その裏返しです。

問:中央銀行の究極の目標は、通貨の信任確保であるということを指摘されました。今のような国債を含め、国債は9年、株式に関してはもっとかかるというような状況で、日本銀行の信用度は、どのようなものになるのでしょうか?この点に関しては、藤巻さんは以前から批判的ですが・・・

藤巻:山本さんは9年で国債を全部落とすとおっしゃいましたが、不可能だと思うんですよね。日銀は、これから10年間毎年、百何十兆円、満期が来るんですよ。日銀が買い換えないとすると、他の金融機関が、外国金融機関も含めて買わなければならない。かつ、毎年赤字が30か40兆円ある。そうなると、毎年百何十兆円買わなければいけないわけですよ。誰が買うの?買う人いないじゃん。確かに、長期金利が80、90%になれば買う人はいるかもしれないが、そんなお金はどこにあるの?しかも、これは1年だけでなく、10年間ずーとですからね。この10年間、日銀は新規国債の90何%買ったことになる。それが満期になって、民間金融機関が日銀以外のところが買わなければいけないことになる。これはいません。

問:ほかの金融機関が買わないと、どういう事態が生じるのか?

藤巻:それはデフォルトです。

山本:現実問題としては海外投資家が買うだろうと思う。金利水準を付ければ、買いは出てくる。

問:リスクに見合って、収益が上がるような金利水準?

山本:そうやって、マーケットは形成されていくし、そうしないと、財政規律を知らしめていくとか、これ以上財政を出さないという、警告にならない。それが市場に期待されている役割。市場機能を戻して行くというのはそういうこと。

藤巻:これだけ財政赤字の国の国債を、いくら金利が高くても、買うかということです。ロシア危機の時のように、70,80%になれば、外国人は買うでしょうが、そんなことになれば日本は財政破綻になるでしょうし、よっぽど財政赤字にならなければ、こんな国の国債を外国人はきっと買わないですよね。だから、かなり苦しい、めちゃくちゃになると思います。