毎年6月になると、役所から健康診断の通知が来ます。私は特に大きな病気をしたこともなく、治療や通院の必要な病気は持っていません。
日本人の死因トップ5は?
日本人の三大死因―「老衰」が第3位に(2年連続)
2019年の死因の順位は昨年と同様,第1位「悪性新生物(腫瘍)」,第2位「心疾患(高血圧性を除く)」,第3位「老衰」,第4位「脳血管疾患」,第5位「肺炎」でした。
私は、血圧が60~100で、心臓に異常はないので、最も心配なのは悪性新生物(腫瘍)、つまり癌です。85歳以上で亡くなった人を解剖すると、死因が癌でない人でも全員ががんを持っているそうです。したがって、がんに絞って対策を立てることが効率的です。もし、死因が癌以外でも、それは確率的には低いので、運が悪かったと割り切ることができそうです。
癌の部位別の死亡数を見てみましょう。
がん死亡数の順位(2021年)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | ||
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男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位 |
男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸10位 |
がん罹患数の順位(2019年)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 大腸 | 肺 | 胃 | 乳房 | 前立腺 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸6位 |
男性 | 前立腺 | 大腸 | 胃 | 肺 | 肝臓 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸5位 |
女性 | 乳房 | 大腸 | 肺 | 胃 | 子宮 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸2位、直腸7位 |
正確に5年生存率を見てみましょう。2020 年 3 月 17 日の国立研究開発法人国立がん研究センターの発表です。
相対生存率算出結果の概要
5 年生存率
全部位全臨床病期の 5 年相対生存率(全症例)は 68.4%でした。1997 年から 1999 年の 61.8%から
徐々に改善傾向がみられました。
① 90%以上 前立腺(100%)、乳(女)(93.7%)、甲状腺(92.4%)
② 70%以上 90%未満 子宮体(86.4%)、大腸(76.8%)、子宮頸(76.8%)、胃(74.9%)など
③ 50%以上 70%未満 腎臓など(69.4%)、膀胱(69.0%)、卵巣(66.2%)
④ 30%以上 50%未満 食道(46.0%)、肺(45.2%)、肝(37.0%)
⑤ 30%未満 胆のう胆道(28.6%)、膵(9.9%)
10 年生存率
全部位全臨床病期の 10 年相対生存率(全症例)は 57.2%でした(前回集計の 2002 年から 2005 年
症例、全部位全臨床病期の 10 年相対生存率 56.4%。同じ患者集団による 5 年相対生存率は 64.1%)。
① 90%以上 前立腺(97.8%)
② 70%以上 90%未満 乳(85.9%)、甲状腺(84.1%)、子宮体(81.2%)
③ 50%以上 70%未満 子宮頸(68.8%)、大腸(67.8%)、胃(65.3%)、腎など(64.0%)など
④ 30%以上 50%未満 卵巣(45.3%)、肺(30.9%)、食道(30.9%)
⑤ 30%未満 胆のう胆道(18.0%)、肝(15.6%)、膵(5.3%)
がんの発見に役立つ生化学検査には、「腫瘍マーカー検査」「内分泌検査」などがあります。
◎腫瘍マーカー検査 …
◎内分泌検査 …
◎CT検査(コンピュータ断層診断) …
◎MRI検査(磁気共鳴画像診断) …
◎PET検査 …
◎エコー(超音波)検査 …
◎内視鏡検査 …
◎マンモグラフィー
胃がんは、ピロリ菌を除去してもしばらくはリスクが残っています。
胃内視鏡検査は何年に1回(どのくらいの間隔で)受ければいいですか?
初めて胃内視鏡検査を受けた後で、胃がんを早期に発見するために次にどのくらいの間隔で検査を受ければいいかは、胃がんになる危険性が高いかどうかによって異なります。現在、多くの胃がんはピロリ菌(H. pylori)の感染による萎縮性胃炎が原因となって発生すると考えられています。
ピロリ菌感染、萎縮性胃炎や腸上皮化生の所見があった場合
胃がんの早期発見を目的として、定期的な内視鏡検査をお勧めします。どの程度の間隔で内視鏡検査を受けるのがいいかは未だ定かではありませんが、2〜3年間隔で内視鏡検査を受けるのがよいと考えられています。ピロリ菌を除菌した後も胃粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化生があった場合は、胃がんになる危険性はゼロにはなりませんので、同じように定期的な内視鏡検査を受けることが勧められます。
がんを防ぐための新12か条 (参考 公益財団法人がん研究振興財団)
1条 たばこは吸わない
2条 他人のたばこの煙をできるだけ避ける
たばこを吸っている人は禁煙をしましょう。吸わない人も他人のたばこの煙をできるだけ避けましょう。
3条 お酒はほどほどに
飲む場合は1日当たりアルコール量に換算して約23グラム程度まで(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)、飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
4条 バランスのとれた食生活を
5条 塩辛い食品は控えめに
6条 野菜や果物は不足にならないように
食塩は1日当たり、男性8.0グラム未満、女性7.0グラム未満、特に、高塩分食品(たとえば塩辛、練りうになど)は週に1回以内に控えましょう。
野菜・果物を1日400グラム(たとえば野菜を小鉢で5皿、果物1皿くらい)はとりましょう。
飲食物を熱い状態でとらないようにしましょう。
7条 適度に運動
たとえば、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を、1日60分行いましょう。また、息がはずみ、汗をかく程度の運動は、1週間に60分程度行いましょう。
8条 適切な体重維持
中高年期男性のBMI※で21から27、中高年期女性では21から25の範囲内になるように体重をコントロールしましょう。
※BMI=体重(キログラム)÷{身長(メートル)の2乗}
BMI(体格指数)とは、人間の体格のバランスを把握するために計算される指数
9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療
地域の保健所や医療機関で、1度は肝炎ウイルスの検査を受けましょう。
10条 定期的ながん検診を
1年または2年に1回定期的に検診を受けましょう。
検診は早期発見に有効で、前がん状態も発見できます。
11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
やせる、顔色が悪い、貧血がある、下血やおりものがある、咳が続く、食欲がない、などの症状に気がついたら、かかりつけ医などを受診しましょう。
12条 正しいがん情報でがんを知ることから
科学的根拠に基づくがん情報を得て、あなたに合ったがんの予防法を身につけましょう。