<改訂版>10代・20代~40代の投資 3:我が家の家族の運用実績、NISA、iDeCo

私の金融資産は十数年で3.73倍に増えましたが、家族の実績も見てみましょう。

最初は山あり谷あり

連れ合いが投資を始めたのは2007年初めでした。最初は1000万円でETF(上場投資信託)を購入しました。当時はまだ、現在のような低コストインデックスファンドがなかったので、1306(TOPIXの株式ETF)とSPY(SPDR社のS&P500株式ETF)を購入しました。

その直後にアメリカでサブプライムローン問題(2007年、サブプライムローンへ投資した証券化商品の価格が下落し、不良債権化した問題)が顕在化し、翌2008年にはリーマンショックが発生しました。

このため、連れ合いの資産は半分以下、つまり500万円以下に急落したのです。

下がった時に追加購入

しかし、それを売らずに持ち続け、加えて、1306(TOPIXの株式ETF)等を追加購入したのです。

この結果、現在は元本の2.62倍まで増えました。

大事なことは、下がった時に売らずに持ち続けることです。

個別株式は ✖、インデックスファンドとETFは 〇

個別株式の場合は、将来的に見込みのない銘柄、あるいは、倒産する銘柄もあるので、場合によっては売ることも考える必要があるでしょう。連れ合いは、勤めていた会社の従業員持ち株会で保有していた株式が、倒産によって紙切れ同然になりました。個別株式はギャンブルであり、怖い商品です。

分散投資が重要

しかし、インデックスファンド、ETFの場合には、数百銘柄、数千銘柄に分散投資するので、すべての企業が倒産する恐れはなく、持ち続ければ必ず価格が上がると考えるべきです。それが過去の歴史です。

娘の投資

私の娘は、30歳過ぎから投資を始めました。

データを取り始めてから2年間の実績は、投資原本153(指数)に対して評価額は255(指数)です。最初の1年間はあまり伸びませんでしたが、最近は急上昇しています。

NISA

私のNISAの運用実績です。旧つみたてNISAは2018年に制度がスタートしましたが、その時から始めました。今年の初めに、新NISAに変更され、537万円の原本が850万円に増えました。この利益に対しては税金がかかりません。

確定拠出年金(iDeCo、企業型)

最近はNISAに脚光が浴びていますが、実はもっとお得なのが確定拠出年金です。

下のグラフは2002年に運用を始めた後の22年間の軌跡です。全額を外国株式インデックスファンドで運用した結果、元本600万円が、リーマンショック時には急落しましたが、現在は5.41倍の3,200万円以上に増えました。

確定拠出年金には、個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型確定拠出年金があり、更に企業型確定拠出年金は、通常のものと選択制とに分かれます。

この3種類については、我が家に一人ずついます。

  1. 通常の企業型確定拠出年金: 私
  2. 選択制企業型確定拠出年金: 息子
  3. iDeCo個人型確定拠出年金:  娘

選択制企業型確定拠出年金とは、社員が給与の一部を確定拠出年金に拠出し、老後の資産形成を自らの意思に基づき、積み立てていくことが可能な制度です。 確定拠出年金に拠出せず、現行の給与をそのまま受け取ることもでき、その選択判断は社員自身が決定できます。

以下、それぞれの留意点を述べますが、共通している留意点は、

  • 運用商品を外国株式インデックスファンドとすること、
  • NISAよりも優先してかけること、
  • できるだけ早くからスタートすること、

です。

1.通常の企業型確定拠出年金

自分の勤めている会社が会社の規則に従って始め、金額も会社が決定ます。個人が決めるのは運用商品だけです。

私は2002年に外国株式インデックスファンドで全額を運用し始めました。当時は、1997年の金融危機の精神的後遺症で、銀行預金を選ぶ人が9割を占めていましたので、私の判断はかなり特異なものでした。

しかし、年金はこれだけでなく、厚生年金、確定給付年金、財形年金があり、それらは元本保証なのですから、更に加えて、確定拠出年金を銀行預金で運用する必要はないのです。バランス的には外国株式インデックスファンドで全額を運用するのが良いと考えたわけです。

この結果、私の確定拠出年金は3200万円に増えましたが、銀行預金で運用した人は、今でも600万円のままです。

2.選択制企業型確定拠出年金

毎月の最高限度額5.5万円(年間66万円)を給与で受け取るか確定拠出年金の掛け金として拠出するかを選択できる制度です。

息子の会社には、退職金、確定給付年金がない代わりに、選択制企業型確定拠出年金があります。退職金、確定給付年金が無いというと、ひどい会社だと思う人もいるかもしれませんが、実はその逆なのです。

毎年、年間66万円をかけて、外国株式インデックスファンドで運用すると、8%のリターンを期待できます。8%というリターンは、人によって高く思えるかもしれませんが、常識的な数字です。

60歳で145,408,524円(掛金5,472,000)、65歳で217,524,783円(掛金6,192,000)に増えます。つまり元本の30倍程度になります。これを退職金、年金として受け取りますが、それらには大幅な減税措置がありますので、非常に得なのです。

年齢 毎年の掛け金66万円を積み立てる 毎年の掛け金66万円を年率リターン8%で運用
23 660,000 660,000
24 288,000 1,372,800
25 432,000 2,142,624
26 576,000 2,974,034
27 720,000 3,871,957
28 864,000 4,841,713
29 1,008,000 5,889,050
30 1,152,000 7,020,174
31 1,296,000 8,241,788
32 1,440,000 9,561,131
33 1,584,000 10,986,022
34 1,728,000 12,524,903
35 1,872,000 14,186,896
36 2,016,000 15,981,847
37 2,160,000 17,920,395
38 2,304,000 20,014,027
39 2,448,000 22,275,149
40 2,592,000 24,717,161
41 2,736,000 27,354,534
42 2,880,000 30,202,896
43 3,024,000 33,279,128
44 3,168,000 36,601,458
45 3,312,000 40,189,575
46 3,456,000 44,064,741
47 3,600,000 48,249,920
48 3,744,000 52,769,914
49 3,888,000 57,651,507
50 4,032,000 62,923,628
51 4,176,000 68,617,518
52 4,320,000 74,766,919
53 4,464,000 81,408,273
54 4,608,000 88,580,935
55 4,752,000 96,327,409
56 4,896,000 104,693,602
57 5,040,000 113,729,090
58 5,184,000 123,487,418
59 5,328,000 134,026,411
60 5,472,000 145,408,524
61 5,616,000 157,701,206
62 5,760,000 170,977,302
63 5,904,000 185,315,487
64 6,048,000 200,800,725
65 6,192,000 217,524,783

3.iDeCo

外国株式インデックスファンドで運用することと、できるだけ若いうちからかけることです。iDeCoの掛け金限度額は、勤めている会社、公務員、自由業などの状況によって変わります。

娘の勤めている会社は、退職金と確定給付年金があるので、iDeCoの毎月の限度額は12,000円、年間で144,000円です。23歳から始めると、65歳時点で掛け金は6,192,000円ですが、運用した結果、8倍近い47,459,953円になります。

年齢 毎年の掛け金14万4千円を積み立てる 毎年の掛け金14万4千円を年率リターン8%で運用
23 144,000 144,000
24 288,000 299,520
25 432,000 467,482
26 576,000 648,880
27 720,000 844,791
28 864,000 1,056,374
29 1,008,000 1,284,884
30 1,152,000 1,531,674
31 1,296,000 1,798,208
32 1,440,000 2,086,065
33 1,584,000 2,396,950
34 1,728,000 2,732,706
35 1,872,000 3,095,323
36 2,016,000 3,486,949
37 2,160,000 3,909,904
38 2,304,000 4,366,697
39 2,448,000 4,860,032
40 2,592,000 5,392,835
41 2,736,000 5,968,262
42 2,880,000 6,589,723
43 3,024,000 7,260,901
44 3,168,000 7,985,773
45 3,312,000 8,768,635
46 3,456,000 9,614,125
47 3,600,000 10,527,255
48 3,744,000 11,513,436
49 3,888,000 12,578,511
50 4,032,000 13,728,791
51 4,176,000 14,971,095
52 4,320,000 16,312,782
53 4,464,000 17,761,805
54 4,608,000 19,326,749
55 4,752,000 21,016,889
56 4,896,000 22,842,240
57 5,040,000 24,813,620
58 5,184,000 26,942,709
59 5,328,000 29,242,126
60 5,472,000 31,725,496
61 5,616,000 34,407,536
62 5,760,000 37,304,139
63 5,904,000 40,432,470
64 6,048,000 43,811,067
65 6,192,000 47,459,953

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