新社会人へのアドバイス
私は長いサラリーマン人生の間に、資産運用関係の仕事に携わって来ました。その知見をもとに、就職が内定した自分の子供にお金のアドバイスをしました。このブログでは、数回に分けてそれを説明しています。
③ できるだけ自動積立を利用する。
自動送金・自動積立
銀行から毎月自動的に証券会社の口座に送金しても無料です。ですから、送金もつみたてNISA等の積み立ても、最初にセットしてしまえば自動的に行ってくれて、毎月資産が増えていきます。
給与天引きの財形は低利率
私が20代だった40年前は、財形貯蓄(勤労者財産形成貯蓄制度)が盛んな頃で、給与天引きで毎月自動的に財産が増えていました。しかし今は予定利率が日本生命で0.7%まで下がり、富国生命は新規受付を停止してしまいました。0.7%という水準は銀行預金預金や国債よりも良いけれど、DC、iDeCo、つみたてNISAなどに比べるとかなり見劣りします。それでも、給与天引きという魅力を生かして新たに始める人もいるかもしれません。私なら、財形よりもネット証券の自動振替・自動積立の方に軍配を上げるので、私の子供には財形を勧めませんでした。
DC、iDeCo、つみたてNISA、投信積立(ETFの定期買付)の時代
現在は、財形貯蓄以外に、DC、iDeCo、つみたてNISA、課税される通常の投信積立(ETFの定期買付)などの制度が充実していて、低コストインデックスファンドの品揃えも進んでいます。わざわざ、分配金やコストがブラックボックスに隠れている保険会社の財形を行う必然性は感じません。インデックスファンドは、コストがガラス張りで、商品間の競争も激しいので、個人投資家にとって良心的で魅力のある財産形成・資産運用商品です。良い時代になったと思います。今の人達は恵まれています。
性弱説
人間に関しては、性善説を取るべきか性悪説を取るべきかという問題が昔からあります。私は、性弱説をとる立場です。人間はどうしても楽な方、楽な方へと流れ、面倒くさいことは先送りしがちです。若いうちの一時期、頑張った人がいても、やがては楽な方に流されてしまいます。お金に関しても、余ったお金があれば使ってしまうことが多いものです。また、余ったお金をまめに証券口座に送金してETFやインデックスファンドを買うのは、結構面倒くさいものです。自動的に送金してくれて、定期的に買い付けてくれる仕組みを利用すれば、その後は投資信託が休まず働いてくれます。手間なのは、最初のセッティングと、毎年1回の見直しだけですから、そこだけはぜひ実行したいものです。
あなたのお金が狙われている
お金は余っていると金融機関が狙ってきますし、知り合いも借りに来ます。私の母は、東京で民生委員もやり、面倒見がよかったので、お金で困っている近所の知り合い数人に、数十万円ずつ貸して踏み倒されてしまいました。私自身も職場の同僚から、「友達が小豆相場をやっていて、今すぐどうしても400万円たりないんだ。貸してくれないか。」と頼まれたことがありました。私は即座に「頭を冷やした方が良いよ。」と諭しました。数時間後、その人は「さっきは変なことを言って、申し訳なかった。」と謝りました。そして、銀行、証券会社、郵便局は営業という形であなたのお金を狙っています。お金は引き出しやすいところに置いておかない方が良いですよ。