日本経済新聞に、ビリギャルと伊藤元重教授の記事が載りました。慎重な発言をする伊藤教授が、十数年後に良くて3%、悪ければ10%以上のインフレになると発言しています。
ビリギャル:
小林さやかという女性で、高校2年の夏に学力は小学4年レベル、全国模試の偏差値は30、英語はかろうじてローマ字が読める程度だった金髪ギャルでした。しかし、塾講師である坪田信貴の指導により、1年で英語の偏差値を40上げ、慶應義塾大学に現役合格しました。
伊藤元重教授:
学習院大学国際社会科学部 教授、元東京大学大学院 経済学研究科長・経済学部長
記事の内容は以下の通りです。
伊藤教授:日本の借金は積もり積もって1000兆円。ちょっとイメージできない金額で「日本、だめになるんじゃない?」と誰もが思うのも当然です。経済は、今までに経験したことがないことがいつでも起こりうる。決して安心していいわけではないんですよ。私はいつも学生に、『前門の虎、後門のオオカミ』という中国の言葉を使って説明しています。いろいろな問題が同時に起きることを表す言葉なんですが、私はここに『当面の出血』も加えて説明するんです
ビリギャル:虎とオオカミと出血??
伊藤教授:前門の虎が1000兆円の借金。当面の出血は、今も毎年、借金が新たに増えていることを指します。ではオオカミは何か。高齢化です。
ビリギャル:高齢化が進むのに、消費税率を上げて借金も返しながら医療も介護も充実させるなんて、できるんですか。
伊藤教授:現実には消費税で借金を返せているのではありません。医療とか介護にかかるお金がこれから増え続けるから、消費税率を上げて収入を増やしてなんとか対応していこうとしてるんです。
ビリギャル:高齢化で気になるのが年金です。私も払ってますけど、私たち世代は年金をちゃんともらえるのかな。
伊藤教授:年金はもらえます。ただし、今と同じ金額をもらえる可能性は少ないでしょうね。
ビリギャル:やっぱり減っちゃうんだ。
伊藤教授:受け取れる額が少し減るかもしれないし、年金を受け取れるようになる年齢ももう少し上になるかもしれない。こうやって考えると、年金だけに頼るのは、あまりに危険なことは皆さんもおわかりですよね。
ビリギャル:もしかしてそれが2000万円問題?
伊藤教授:そうですね。働ける間に老後に備えておくことが大切ですよ、というのが2000万円問題から私たちがちゃんと受け取らなければならないメッセージだと思うんですよ。
ビリギャル:そんな大切なメッセージが隠されていたとは。
伊藤教授:あともう一つ、日本はこの先10年とか15年でインフレになります。だから、自分の資産を失わないように気をつけなければいけません。インフレとは、簡単にいうと物価が上昇することです。インフレには良いインフレと悪いインフレがある、ということをまず押さえてくださいね。
ビリギャル:良いのと悪いのがある?
伊藤教授:良いインフレというのは日本の経済が穏やかに成長していく状態と考えてください。GDPが毎年3%くらい増えていくイメージです。もちろん、そんなに簡単にGDPは成長しませんが、もし物価が毎年3%くらい上昇すると、GDPも成長するんです。だから、良いインフレは日本を救う。
ビリギャル:悪いインフレはイヤな予感ですね。
伊藤教授:穏やかなインフレが起きず、GDPも成長しないのに借金は1000兆円も残ったままだと、どこかで日本に不都合なことが起きたときに、物価が急に10%とか15%、場合によっては30%上昇するかもしれません。ちなみに1973年の第1次オイルショックのときは、物価が23%も上昇しました。これが悪いインフレです。悪いインフレが起きると、日本への信用度もがた落ちになりますから、どんなに高い金利をつけても国債を買ってもらえなくなる。一気に“破綻”の2文字が見えてくるんです」
ビリギャル:そんなに一気に上昇するかもしれないんですか?
伊藤教授:どんなインフレが起きるかわかりませんが、どちらも起こらない可能性は非常に低いんです。たとえ、3%のインフレだったとしても、3年続くと10%近くなるんですよね。つまり、1000万円の預金を持っていても、物価が上がった分、100万円分を実質的には失うことになる。
ビリギャル:だから預金してるだけじゃなくて、自分のお金を守るという意味で、「資産運用」が大事なんだ。
伊藤教授:日本円だけでなく、いろいろな通貨に分散する手もあります。これからは、生きていくために経済リテラシーとか法律を知るリーガルマインドがもっと求められますよね。