社会人とお金14

新社会人へのアドバイス

私は長いサラリーマン人生の間に、資産運用関係の仕事に携わって来ました。その知見をもとに、就職が内定した自分の子供にお金のアドバイスをしました。このブログでは、数回に分けてそれを説明しています。

⑧ 退職金制度がないので、自分で積み立てる。

最近できた会社には退職金制度の無い会社もあります。ただし、確定拠出年金制度があります。

この制度について、どう受け止めるべきでしょうか。

退職後の生活資金として代表的なものは、

  1. 退職金
  2. 確定給付年金 DB (Defined Benefit Plan)
  3. 企業型確定拠出年金 DC (Defined Contribution Plan)
  4. 個人型確定拠出年金  iDeCo

があります。1~3は会社が用意する制度で、4は自分で積み立てる制度です。20年前までは、1.退職金と2.確定給付年金と同様のものだけがあり、3と4はありませんでした。しかし、株式バブル崩壊後、株式相場の低迷が続いたため、企業年金の利回りを高く維持することが難しくなりました。加えて、退職金制度によって従業員を会社に縛り付けるのではなく、年金のポータビリティーを高めるDCの普及が望まれるようになりました。そのため、DCのウエイトが大きくなりました。また、DCを外国株式インデックスファンドで運用すれば、高い利回りを得る可能性が高いことが、経験上魅力的に見えるようになってきました。

毎月2万円ずつ40年間積み立て、利回り、6%で運用した場合の成績がこの表のようになります。

在職年数 毎月24万円
DC積立
運用残高
(利回り5%)
運用残高
(利回り6%)
1 24 24 24
2 24 49 49
3 24 76 76
4 24 103 105
5 24 133 135
6 24 163 167
7 24 195 201
8 24 229 238
9 24 265 276
10 24 302 316
11 24 341 359
12 24 382 405
13 24 425 453
14 24 470 504
15 24 518 559
16 24 568 616
17 24 620 677
18 24 675 742
19 24 733 810
20 24 794 883
21 24 857 960
22 24 924 1,041
23 24 994 1,128
24 24 1,068 1,220
25 24 1,145 1,317
26 24 1,227 1,420
27 24 1,312 1,529
28 24 1,402 1,645
29 24 1,496 1,767
30 24 1,595 1,897
31 24 1,698 2,035
32 24 1,807 2,181
33 24 1,922 2,336
34 24 2,042 2,500
35 24 2,168 2,674
36 24 2,300 2,859
37 24 2,439 3,054
38 24 2,585 3,262
39 24 2,738 3,481
40 24 2,899 3,714

退職金とDCの比較

積立金は24万円✖40年=960万円で、利回り5%なら2,899万円、6% なら3,714万円です。40年間同じ会社にしがみついて、1000万円か2000万円の退職金を当てにするのと、確定拠出年金(DC又はiDeCo)で運用するのとどちらが良いでしょうか。

DCは外国株式インデックスファンドで!

なお、DC、iDeCoの運用にあたっては、現在の超低金利の時代にあっては、外国株式インデックスファンドを選択することが重要で、銀行預金や債券を選ぶのは不利です。また、バランスファンドも債券を含んでいるので選ぶべきではないと思います。

iDeCoを使わずDCで限度枠を使い切る

私の子供の場合はDCで5.5万円運用できるので、その枠をいっぱいに使うこととしました。その結果、iDeCoを使うことはできませんでした。なお、DCの外国株式インデックスファンドの信託報酬は0.1%台と極めて低コストです。