<昨日の続きです。>
個人が投資を始めようとするとき何をするでしょうか。
- インターネットで「個人」「投資」などのキーワード検索をする。
- 個人投資に関する本を買って読む
- 新聞・雑誌で情報収集する
- 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の順位を参考にする
- 親など家族に聞く
- 友人など知り合いに聞く
- 銀行、証券会社の窓口に行って相談する
- ロボ・アドバイザーに入力して、アウトプットを参考にする。
- ファイナンシャルプランナーに相談する
<今日は5.から始まります。>
5.親など家族に聞く
銀行、証券会社の営業パーソンは、自分たちが儲かる商品を売りたがるので、いうことを信じない方が良いのですが、家族には普通の場合、その恐れはありません。
親世代は情報が古い可能性
しかし気をつけなければいけないのは、親の世代の人たちの話です。この人たちは、ETFやインデックスファンドという言葉自体を知らない人が多いのです。また、アクティブファンドとインデックスファンドの違いも分からないようです。
ETFは低コスト
ETFの購入手数料は、ネット証券ならほぼゼロ%ともいえるほど低いですし、野村証券などの対面証券でも1%程度で済みます。また保有するためのコストである信託報酬は、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、VOO、VWO、VGK、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))、1308などは0.1%以下ですから、個人投資家にとっては真っ先に進められる商品です。
しかし、親の世代では知らない人も多いのではないでしょうか。
個別株式で儲かった話をしたがる親
逆に、個別株式は値動きが激しいので、儲かった体験も、損した体験もあるでしょう。親は、子供に恰好よいところを見せたいので、個別株式でうまくいった経験は、どんどん話してくれます。私の父親も個別株式を長い間やっていて、値上がりした時には利益確定売りして、売却益を小遣いとして私にくれたことがありました。
損した話はしたがらない
しかし、損をした話はあまり聞いたことがありません。例えば、 1999年、 SBI証券(ソフトバンク・インベストメント株式会社)の社長に北尾吉孝が就任した時に、「こいつは面白そうだ」と言って株式を買いましたが、その後株価は低迷を続け、塩漬けになりました。
「アクティブファンドだけはしない方が良い」というアドバイス
また、私の親は、投資信託ももっていましたが、それは証券会社から勧められた、コストの高いアクティブファンドでした。1980年代に、親切な証券会社の人が、「投資信託だけはやらない方が良い。」と私にアドバイスしてくれました。しかし、私の親は、そのようなアドバイスをしてくれる人がいなかったのでしょう。
昔の人気商品は消滅
また、私の世代は、財形貯蓄、高利回りのワリコー、一時払い養老保険の華やかなりし頃で、全体の平均利回りは3~4%でしたが、今は、ほとんどの商品が無くなってしまいました。「昔はよかった」というような話を親から聞いても時間の無駄です。
親を頼ってよいかどうかは、親の力量次第
いろいろ考えると、親の世代で、適切なアドバイスをしてくれる人を探すのは難しそうです。また、親子というのは、けっこう感情的になりやすい関係でもあるので、素直に話を聞かない、良いところだけ話す場合もあるということを、あらかじめ心得ておく必要がります。
推薦本で判断する方法
ただし、例えば、次のような本を推薦してくれた場合には、バランスの良い最新情報も知っていると思われますから、もう少し話を聞いても良いかも知れません。
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理
バートン・マルキール (著), 井手 正介 (翻訳)
難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
山崎元 (著), 大橋弘祐 (著)
同世代の兄弟、従妹の方が最新情報を知っている
親よりも最新情報を入手している可能性があるのは、兄弟や従妹かも知れません。同じ年代の人であれば、イデコ、つみたてNISAという制度を知っている可能性も高く、それに適合した商品を教えるくれる可能性も高いと思います。ただし、金融機関に勤めている知人が、自分の勤めている会社の商品を紹介した場合には、要注意です。私の知り合いは、子供の勤めている銀行の扱っている、トルコリラの銀行預金を買って、為替損が発生したと言っていました。
6.友人など知り合いに聞く
兄弟や従妹、あるいは個別の知り合いだと、バイアスがかかる恐れがありますので、少し多めの複数の意見が聞けた方が良いかも知れません。
素人グループが情報交換する方法がベスト
ハーバード大学の研究によると、個人投資で最も良い成績をおさめたグループは、素人が集まって情報交換をしているグループだったそうです。プロが入ると、そのプロの収入が増えるような方向に誘導されてしまう可能性が高いので、プロが入る場合は、よくよく気を付けた方が良いでしょう。
これが正解というポートフォリオはない
投資は、例えば、「これしかない」、「どんな場合でもこれが一番良い」というようなポートフォリオはありません。人の好みとか、過去の経緯によって、様々なパターンができて、それを無理に変える必要は無さそうです。
これは間違いというポートフォリオはある
逆に、これは避けた方が良いというパターンは、いくつかあります。例えば、
- 少数の個別株式に集中投資する
- アクティブファンドばかり買う
- 個別株式・アクティブファンドを頻繁に買い替える
- 外貨預金、外貨保険、一時払い個人年金保険を買う
等は、ほとんどの場合避けた方が良いと思います。
<明日に続く>