連れ合いのポートフォリオ2020年4月

USドル預かり金を準備

円グラフの上の方にUSドル預かり金があります。これは、VOO(バンガード社のS&P500 のETF)を押し目買いするための資金で、USMMFを換金したものです。今年の2月下旬から、野村證券ではインターネットでの外貨ETF購入が可能になったのですが、その資金はUSMMFでなく、USドルにしておかなければいけないのです。

VOOを買うチャンス

新型コロナオイルショックによって株価が暴落したため、VOOを買い増そうとして待ち構えていたのですが、買えないまま、USドルを預り金で保有しています。3月23日にVOOが一株210ドルを割ったとき、200ドル以下になると思って待っていたのですが、その後反転して、現在は260ドル以上になってしまいました。220ドル、240ドルの押し目買いを狙って、網を張っていましたが、急上昇したため、まったく買えません。

今売って、もっと下がったら買い戻す?

この間、連れ合いは「200ドルは下回る。大恐慌よりもひどいことになる。」と騒いでいました。また、一口220ドルの頃、「どこまで下がるか分からないから、今のうちに売って、もっと下がったら買い戻した方が良い。」と言い始めました。このセリフは12年前のリーマンショックの時に言った言葉と同じです。それに対して私は、「それでうまくいくなら、株をやっている人はみんな金持ちになる。何もしないで、待っているのが一番だ。もっと安くなったら、VOOを買い増せばよい。」と言いました。このセリフも12年前と同じものです。

反転上昇

このやり取りの数日後に、株価は反転上昇し始めました。株価は上がる一方で、下がることはありませんでした。そこで私が、「あの時売らなくてよかった。もし売っていたら、大損していた。」と振り返ったところ、納得していました。

バイ・アンド・ホールドを貫く

この結果、連れ合いは、株式ETFを中心とした資産運用を13年続けていますが、一回も売ることなく、バイ・アンド・ホールドを続けています。3月には、瞬間的に元本のレベルに近づいたこともありますが、現在は運用益が800万円ほどのプラスに戻ってきました。

円資産は1306

ところで、円グラフの中で国内の資産は1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))で、特定口座が40%、NISA口座5%を占めています。それ以外はすべて外貨の投資になっています。さらにNISA口座の1306も、3年後には全部5年の期限切れで特定口座に移ります。

国内株式ETFの目標シェア

今考える必要があるのは、国内の株式ETFの比率が45%でよいのかということです。私のポートフォリオの中で、国内資産は26%ですから、私に比べると、連れ合いの国内株式ETF比率はかなり高いことになります。しかも、今回の新型コロナウイルスショックで、日本円が安くなり、ハイパーインフレになる可能性が一層高まっています。

夫婦で同じポートフォリオにするリスク

一方で、夫婦で同じポートフォリオにするのも結構危険だと思います。そこで、検討対象となるのが「金(きん)」のETF投資です。しかし、現在は1オンス=1700ドルまで高騰したので、すぐに買いたいと思う商品ではありません。金とVOOの押し目を狙って、数年間気軽に待つのが良いと考えています。

外貨MMF

現在、連れ合いはUSMMFと豪ドルMMFという2つの外貨MMFを保有しています。以前は、他にカナダドルMMFとNZドルMMFも持っていたのですが、低利回りなので売却しました。野村證券では、このほかに英ドルMMFも商品として扱っています。これらの中で最も利回りの高いのがUSMMFです。高いと言っても0.353%では、日本の銀行預金と大差ありません。

野村証券商品 年換利回り
USMMF 0.353%
豪ドルMMF 0.246%
英ポンドMMF 0.141%
カナダドルMMF 0.297%
NZドルMMF 0.296%

インフレと高金利の時代

現在、世界的に超低金利の時代が続いていますが、学者によっては、低金利と高金利の時代は長期では入れ替わるという考えを発表しています。ただし、それがいつになるかは誰も分からないでしょう。

大型財政出動によるインフレ

しかし新型コロナショックで、米、欧、中国、日本などが大型の財政出動をして、その財源を赤字国債で賄っているのですから、数年後か十数年後にインフレの時代に突入しても不思議ではありません。

ウイルスの世紀

1年前に、世界が今のようにウイルスで苦しむことになるとは、ほとんどの人は考えなかったと言って良いでしょう。21世紀は、ウイルスの世紀と言われ、ウイルスが猛威をふるうであろうことは、多くの科学者が警鐘を唱えていました。また、それを題材にした小説も出ていました。しかし、サーズ、マーズなどで封じ込めが成功していたので、世界の指導者は甘く見ていたのかも知れません。その代表格は、トランプ大統領であり、安倍首相だったかも知れません。

圧倒的に危険な日本のインフレ

そして、この新型コロナウイルスが拍車をかけたのが、世界経済のインフレ懸念であり、その中でも日本は圧倒的に先頭を走っているようです。財政危機に関しては、1周遅れではなく、1周先回りというのが現状ではないでしょうか。

デフレ懸念

一方で、自粛ムードが世界を覆い、世界的に需要が縮小するのでインフレにはならないという人もいます。インフレななるのか、あるいは、現在の超低金利時代が続くのかは、分かりません。

政府は個人資産を守らない

しかし数年前よりは不安定な経済になっています。そして、日本がインフレ、そしてハイパーインフレになった時に、政府は個人資産を守ってくれません。国の借金が、こんなに楽に減らせるチャンスはないからです。

異次元金融緩和の責任がぼやけてしまった日銀総裁

また、日本銀行の黒田総裁もうまく立ち回るでしょう。アベノミクスを裏で支えていたのが黒田総裁でした。彼は、財務省の中でも飛び切りの秀才として有名でしたが、どんなに金融緩和をしても2%のインフレにならないことから、「教科書どおりにはいかないものだ。」と言って嘆いたことがありました。しかし、新型コロナのおかげで、金融緩和による弊害の問題が矮小化されつつあります。もし、ハイパーインフレになっても、「新型コロナショックに立ち向かうためには、さらなる金融緩和策が必要だった。」と言い訳ができそうです。

そして最後に責任を取らされるのは、安倍首相、黒田総裁ではなく、銀行預金をしていた日本人でしょう。