パンデミック・エコノミー時代の究極の選択 1

投資をするためにはお金が必要ですが、お金を使わないためにはいろいろな工夫が必要です。そして、実行可能なことも結構多いのです。

・食費:コンビニを使わずにスーパーで買う。

コンビニの値段は、スーパーマーケットの3~5割も高い。

・自動車:自動車は持たない。

自動車を1台保有すると年間100万円かかりますから、できるだけ保有しないことです。特に東京23区内に住む人に自動車はいらないでしょう。また、首都圏に住んでいる人は、タクシーを使った方がはるかに割安です。

・保険:生命保険は会社の福利厚生費の掛け捨てだけにする

日本には高額療養費制度があるので、医療保険は不要です。

・家:できるだけ社宅を使う

利用できる人は、利用しない手はありません。私は50歳まで社宅でした。

以上のことを実行するだけで、年間100~200万円をねん出することができます。これらの項目の中で、実行が難しいと思うものもあるでしょう。しかし、今回の新型コロナウイルス騒動で、テレワークを始めた人は、始める前までテレワークは、不可能・非効率だと思っていた人が多かったのではないでしょうか。上記の節約方法については、このブログでも時々検討していますが、今後も取り上げます。

ところで、アメリカにおいても生活費に関して究極の選択を迫られている人が多いようですので、それを見てみましょう。ニューヨーク・タイムズの2020年4月17日の記事です。以下は拙訳です。

食費、家賃、健康保険はどうするか?パンデミック経済における厳しい選択

かつては生活必需品だと思われていたものがぜいたく品になるにつれ、ますます窮してきたアメリカ人は、何をどう使うかについて再評価しています。

失職を知った2日前、リサ・ギリアムはオンラインで赤ちゃん用品を何百ドルも買いました。

ギリアムさんは37歳の妊婦で、無駄を省くため、シアトルに住む両親に、中古のベビーカーと、幼児用の上下一体型の古着を頼む予定でした。しかし、コロナウイルス・パンデミックがシアトルで猛威をふるったため、箱に入って配達される商品の方が安全に思えました。

彼女は、非営利法人の教育カリキュラムを作るフルタイムの契約社員で、1時間50ドルを稼ぎ、ぜいたくをする余裕がありました。ところが、4月2日、雇用主が労働時間を減らし、出産の数週間前の5月初めに契約を終了すると伝えたのです。

ギリアムは、他の多くの人と同じように、突然、自分の出費に敏感になりました。彼女と、高校の物理教師の夫は、毎日苦労してお金の優先順位付けをしています。定額料金が一月5ドルのウェブ・マガジンは本当に必要か?庭の水やり費用はいくらか?彼らはわずかな蓄えをいつ取り崩す必要に迫られるのでしょうか?

「私たちは、今は大丈夫。だけど、足下の底が抜けてしまうかもしれないわ。」と彼女は言います。

ギリアムと彼女の夫は、ワシントン州が連邦政府の補助プログラムを使って、契約社員が失業手当を利用できるようにしてくれることを待っています。そして娘が生まれたら、州の産婦助成プログラムを利用したいと思っています。自分たちの家の裏に計画している15,000ドルの建築計画は保留にしてあります。事務の会員、フル・ストリーミング・サービス、複数の新聞、そしてギリアムがデザイン業務のために使うアドビ・アクロバット・ソフトをもキャンセルしました。

「お金を使わないようにしているの。最小限にして、家は手放さない必要があるわ」と彼女は言います。

経済が強い時でさえ、多くのアメリカ人は危なっかしい立ち位置にいました。ちょっとした混乱を乗り切るだけの準備をしていなかったり、借金倒れになることもよくありました。

全体として、家計は「6週間前の時点では比較的良好な状態だったし、実はとても健全だった」と、アーロンソンは言います。今回は、「過去によく見てきた景気後退と比べて、とても幅広い家庭が、収入を失ってしまった。」と、彼女は言います。

こういった人たちはちゃんと生きていくために、現在、他人の善意や企業・政府のプログラムに頼っています。担保権執行とそれに伴う立ち退きは中止されてきました。借り手には学生ローン救済策を提供されました。銀行、自動車メーカー、公益企業その他の会社は支払い延期プログラムを立ち上げました。

パンデミック以前、キャロル・クルーズの個人健康保険は、4年前の500ドル未満から、一月840ドルに上昇しました。保険料は一月の住宅ローン支払い600ドルよりも多く、彼女の一月の給料1,200ドルのほとんどを費やします。この家は、カリフォルニア州トゥーレアリにあり、夫、17歳の孫娘と一緒に住んでいます。

3月29日、彼女は少なくとも5月末までメンタル・ヘルス・セラピストのパートタイムの仕事をレイオフされました。まもなくもらえると期待している州の失業給付以外に62歳のクルーズさんには、もう収入はありません。

そこで彼女は一日3時間電話をして、健康保険の会社、住宅ローンの貸し手、夫のシボレートラックのローンの信用組合から減免を頼んでいます。誰もが、90日の支払い猶予期間、可能なだけ支払うという選択肢等、融通の利く条件を申し出てくれました。(中には、交渉したがらないところもあったと、彼女は言いました。)

調整してもらったおかげで、請求書を何とか手に負える状態にできているとクルーズさんは言います。しかし、卵の値段は高騰し孫娘は学校で無料昼食を食べられないので、生活必需品の費用は倍増しました。「将来はどうなるかしら。明日のことは考えないようにしてる。今日食べ物にありつけるか、銀行でお金を受け取れるかだけを考えるの。」とクルーズさんは言います。