◎今日のグラフ:10年間の年平均リターン
S&P500のインデックスファンドの圧勝で
バークシャー・ハサウェイ社のCEOで、9兆円の資産家ウォーレン・バフェットは2007年12月19日に10年間の賭けをしました。S&P500インデックス・ファンドの10年間のパフォーマンスが、ヘッジファンド(手数料控除後ベース)を上回れば、バフェット氏の勝ちというものです。ファンド・オブ・ヘッジファンズのプロテジェ・パートナーズ社が挑戦者になりました。そして、その結果がバークシャー・ハサウェイ社の株主への手紙の中で発表されました。結果は一番右側のS&P500のインデックスファンドの圧勝でした。
ファンド | ヘッジファンドとインデックスファンドの年平均リターン |
A | 2.0% |
B | 3.6% |
C | 6.5% |
D | 0.3% |
E | 2.4% |
S&P500インデックスファンド | 8.5% |
バフェットは低コストのS&P500インデックスファンドを推奨
昨年のバークシャー・ハサウェイ社の株主への手紙の中で、こう書いてあります。「長年にわたって、私は投資のアドバイスに関する質問を受けてきました。その質問に答える中で、私は人間の行動について多くのことを学びました。私はいつも低コストのS&P500インデックスファンドを勧めてきました。あまり巨額の資産を持っていない私の友人たちの立派なところは、たいていは私のアドバイスに従ってくれたことです。ところが、個人の超金持ち、資産運用機関、年金基金で、私が与えた同じアドバイスに従ったものは全くいなかったと思います。こうした投資家は、私の考えに恭しくお礼を言って私と別れた後、高いフィーを取るファンドマネージャーの誘惑の言葉に耳を傾けるのです。もしくは、多くの資産運用機関の場合には、誇大宣伝するタイプのコンサルタントの話を聴きます。」
SPY、VOO、1306を購入して10年持ち続けること。
私は、アメリカのヘッジファンドや日本のアクティブファンドについては、全く知識がありません。従って、人に説得できるようなデータも知識も理論もありません。しかし、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、VOO(アメリカバンガード社のS&P500のETF)、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)などのETFで資産運用して、良好な結果が出ています。今回の賭けの期間は10年間でした。この10年間という期間には重要な意味があると思います。1年間や2年間、場合によっては5年間という中期でもETFの成績にはバラツキがありますが、10年間という長期であれば、望ましい結果が出るということだと思います。そしてウォーレン・バフェットは、長年の経験やデータから、10年あれば賭けに負けることはない、つまり、ETFは必ず良いパフォーマンスを達成することができる、と確信したのだと思います。私の連れ合いも、バフェットの賭けと同様にリーマンショックの1年前という最悪の時期に投資をスタートさせましたし、その後も拙い追加投資でしたが、何とかある程度の運用益を生み出すことができています。結論としては、低コストで代表的なETFを買って、10年間我慢すればよい結果を得られるということだと思います。