40歳から1億円貯めるには

ミリオネア、億万長者

アメリカにはミリオネア―millionaire、日本には億万長者という言葉があります。日本でリタイヤ時に1億円あれば、公的年金との合計で、生活には困らないでしょう。20代の頃から意識的に貯蓄していれば比較的手に届く目標かも知れません。しかし、40歳から始めた場合にはどうでしょうか。アメリカCNBCの2021年12月6日の記事を参考にして考えてみましょう。以下は拙訳です。

百万長者になるには、40歳の人は毎月いくら投資すればよいか

3種類の利回りと25年間の場合を計算

多くの人にとって百万長者になることは魅力的な出来事です。人によっては、その金額は、仕事を完全に辞めるために必要な金額かもしれません。また、他の人にとっては、そのお金を次の世代の財産として引き継ぎつつ、自分たちのライフスタイルに必要な金額を消費することが可能になります。しかし、既にすごい富豪に生まれているか、あるいは宝くじに当たらない限り、百万ドルを稼ぐことは、言うは易く行うは難しです。

しかし、投資をすれば道のりをもう少し容易にできます。ファイナンシャルアドバイザーでスティバース・ファイナンシャル・サービシス創業者のブライアン・スティバースによると、投資に関しては3つの重要な要素があり、それは毎月の掛け金、リターンのレート、目標額に到達するための期間です。これを頭に置けば、百万ドルを自分で稼ぐために十分なお金を実際に投資することができます。

以下では、セレクト社が伝統的なリタイヤ年齢である65歳までに百万長者になるために40歳の時にいくら投資すればよいかを場合分けしています。

40歳の人が百万長者になるために投資する必要額

計算に当たって、スティバースは3つの異なるリターン・レートを用意し、それは3%(ほとんどが債券の保守的なポートフォリオ)、6%(株式と債券のコンビネーション)、9%(株式中心か株式を含む平均で9%の収益のインデックスファンドか投資信託)です。そしてリタイヤの年齢を65歳とし、40歳の人が25年間貯蓄することとしました。伝統的なリタイヤ年齢になるまでに百万長者になるには、40歳の人は毎月いくら投資する必要があるでしょうか。

・もし、年率3%リターンの投資をすると、65歳までに百万ドルに到達するために、40歳の人は毎月2,250ドル投資する必要があるでしょう。

・もし、年率6%の投資に掛けるのであれば、25年間、毎月1,500ドルを投資する必要があるでしょう。

・しかしもし、かなり積極的な年率リターン9%の投資を選ぶのであれば、25年間で百万ドルに到達するためには950ドル投資する必要があるでしょう。

以前、セレクト社はスティバースと共同で、65歳までに百万長者になるには、35歳の人は毎月いくら投資すべきかを計算しました。同じリターン・レートを使うと、――押しなべて――同じ年までに同じゴールに到達するために、40歳の人はずっと多くのお金を投資しなければならないでしょう。

5歳の違いは大きくは見えませんが、投資ということになると、どれほど積極的な投資対象に掛ける必要があるかということに関し、大きな影響を与えます。その理由は、お金を成長させる時間がより長いと、複利が強力に効くからです。

もしもっと早い25歳から始めれば、積極的な投資リターンの9%の場合、40年間で百万円に到達するためには、1か月当り240ドルしか必要でなくなります。

状況によっては、そんな積極的な掛け金は厳しいと感じるかもしれません。実際には、多くの人々は、子育てや老齢の両親の世話、あるいはその両方など、他の支出をしばしば優先させなければなりません。しかし、わずかな金額でもよいから掛けておけばそれが増え、長い間には資金状況に大きなインパクトを与えることになるということを覚えておくことが重要です。

従って、例え、もし950ドル投資余裕がなくても、できる限りの投資を早くすればするほど、複利のマジック効果は発生するはずです。

ここ何年も多くの投資アプリが、より多くの人の様々なニーズに対応して資産を増やす手助けをしてきました。例えば、エイコーンズは、コーヒー、教科書、服など(とにかく購入しなければいけないもの)、 毎日の買い物に伴う「余った小銭」をユーザーが投資するようにしています。こうしてユーザーは、つまり自動的に投資してしまうのです。ロビンフッドなど他のアプリを使えば端株――買いたい株式数ではなく、投資したい金額に応じた株式割合――にわずか1ドルでも投資できます。端株は、もし一株丸ごと買うことができなくても、投資にかかわりたいときには役に立ちます。

しかし選択の余地は他にもあります。ウェルスフロントやベターメントなどのプラットフォーム・アプリは、ロボアドバイザーを使って、リスク許容度ゴール、リタイア時期の基づいた有意義な投資決定の手助けをしてくれます。ゴール(リタイヤであれ、住宅購入であれ)のための目標時期が近づくにつれ、ポートフォリオのリバランスの仕事を自動的に引き受けてくれます。こうすれば、調整やアセット・アロケーションを心配する必要がありません。

株式投資の場合、でたらめに個別株式に投資してはいけないということを強調することは重要です。信頼できる真実のストラテジーは、S&P500など、株式市場全体に連動するインデックスファンドかETFに投資することです。インベストペディアによればS&P500は歴史的に見て、年率平均10%から11%のリターンがあり、このインデックスに連動するファンドなら同様のリターンを生み出すと考えてよいでしょう。もう一つ重要なことは過去のリターンは将来の成功を保証するものではありません。