「お金中心」ではなく「冒険中心」で生きる 上

1%でも可能性があれば挑戦した方が良い

学校の校長先生の全校集会での話を覚えている人は少ないのではないかと思いますが、私は一つだけ鮮明に覚えている言葉があります。高校1年の時、「1%でも可能性があれば挑戦した方が良い」という言葉でした。この言葉で、受験校を決定しましたし、自分の子供も大学卒業後の進路で、厳しいけれど悔いがない道を選びました。人生の選択で1%の可能性を追求するのは、そのための努力が必要で、自分が成長するので、大いに挑戦すべきことだと思います。

投資は99%の安全運転

一方、私の投資方法は、10年後には99%の確率で資産が増加する方法だと思います。もし、投資で1%の可能性を求めるのであれば、それは、ほとんど勝ち目のないギャンブルですから、やめるべきです。

普通の校長の話は長くてつまらない

なお、校長先生の話にはネタ本があって、そのネタをもとに校長自身の話も織り交ぜるのでは話が長くなるそうです。そして、記憶に残る話はひとつもないという結果になるのです。ただ時間をつぶすだけの話ではなく、感動する話、役に立つ話を聞きたいものです。

冒険中心に生きる

長い間、他の人の人生を見てくると、様々な生き方があると思うようになります。その中で、お金中心ではなく、冒険中心に生きているというのがパックン(パトリック・ハーラン)さんです。なかなか、魅力的な考え方なので、ZAIOnlineの10/7(金)の記事で勉強しましょう。


お笑い芸人・パックンが貧しかった少年時代、現在の資産運用など“おカネの本音”を語る! 健康・教育への投資を優先し、余剰資金をインデックス投信などで運用

●”相対的貧困”の家庭に育ち、苦しくても工夫する力が育まれた! 

だからこそ今、ちょっとしたことに幸せを感じられる

──子供の頃は、お金があまりなかったそうですね。

パトリック・ハーラン(以下、パックン) この話をするときは、最初に必ず話すんですが、ぼくの家庭は“絶対的貧困”ではありませんでした。世の中には、靴が買えないお子さんや、まったくお金のない家庭もあるけれど、それに比べたらはるかに恵まれた暮らしだった。ただ、家計が厳しかったのは事実で、周りの家と比べたら貧しい“相対的貧困”でした。

でも、母子家庭で育ちながらも離婚した父も含めて家族には愛されていたし、友達にも恵まれて、決して「残念な生活」ではなかったです。

──お金がなくて大変だったことはありますか?

パックン 食べ物で言えば、牛乳は高いから脱脂粉乳でしたね。マズいんだけど栄養はある。だって、ぼく184センチになったから。ひき肉も、アメリカで一般的な牛肉は買えなくて、最低品質の七面鳥。すごくパサパサするから、ビーフブイヨンを混ぜて食べてました。いろいろ工夫して一食分の食費は100円以下!  まあ、お腹が空いてフラフラして、学校の保健室で本物の牛乳とクッキーを出してもらったこともありましたけど。

でも、家計事情を知ってる友達が「ご飯食べてく? 」って聞いてくれて、週に何回か夕食をたらふく食べさせてもらったし、焼き立てのクッキーを用意してくれた友達のお母さんもいました。

周りに比べると働き始めたのも早くて、新聞配達のアルバイトを始めたのは10歳から。友達が遊んでるときも雨の日も雪の日も、高校卒業まで毎日8年間配り続けました。最初は44軒でしたが、高校では安い中古車を手に入れて、最後は445軒まで増えましたね。

──大変でも、不幸ではなかった?

パックン はい。家計が苦しくても工夫する力が付いたし、友達の家では美味しい思いもさせてもらったし。今もちょっとしたことで幸せを感じられるのは、あの頃があったからこそ。もちろん、貧乏は勧めないですけどね。

──経済力が学力に関係してくるとよく言われますが、子供の頃、勉強はどうでしたか?

パックン 勉強はできるというか、勉強を勉強と思わないタイプでした。性格的には負けず嫌いだし、試験で高得点を取るのも大好き!  離婚した父がテレビを持っていってしまったので、テレビのない時期もあって、そのおかげで本を大量に読んで、語彙力も文章力も付いたと思っています。

そうそう、中学生の頃に、成績がほぼAならピザを、オールAならどこのレストランでもご馳走する、と母が約束してくれました。少し暮らしに余裕が出てきた頃かな。でも、約束した日からぼくはずっとオールAで(これは自慢ですけど)、レストランに行くのもなあと結局、毎回ピザにしてましたね。

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──お金がないと、どうしても可能性の幅が狭まる気はします。

パックン 気を付けてほしいのは、「お金がないから○○できない」という思い込みを持つこと。確かにできないことはあるんですが、代わりにできることを考えるのが大事です。1万円のコンサートに行けなくても、代わりに友達100人集めて鬼ごっこやるとか。拝観料を払えないなら、たくさんのお寺を外から見て回るとか。そっちのほうが思い出に残るかもしれないでしょ。

あと、困ったときは人に頼る。「何かアドバイスない? 」って頼られて、嫌がる人は少ないですよ。そこでチャンスに出合えるかもしれない。ぼくも今、日本で仕事をしているのは、先に日本に行った友人のおかげです。逆に、お金でなんでも解決できると思ってる人は、人に頼る力が育まれないかもしれないですね。

<明日に続く>