膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策(2018改訂版)4

(昨日の続き)

為替レートも考えなくては。

私:米国株だと、為替の問題がある。今112円のドルが、56円になれば、米国株の価値は円換算で半分になる。

連れ合い:そんなことになりそう?

私:可能性がゼロではない。でも、アメリカの株価が半分になって、その上、円高でドルも半分になるってことは、まず、ないでしょう。もし両方が起きても10年あれば回復するよ。

連れ合い:日本の株はどう?

私:日本は1990年ごろのバブル崩壊で、長い間低迷してきたけど、やっと回復してきて、力もつけて来た。ヨーロッパなどと同様に、ある程度の株価上昇を期待できるんじゃないかな。それに、日本に住んで日本円で生活している日本人だから、ある程度日本株式を持っていた方がいいんじゃない。

個別株式でなくETFを

連れ合い:それじゃあ、米国株と日本株を半分くらいずつ持つことにする。でも、私が昔勤めていた会社が倒産して、400万円も積み立てた持株会の価値がゼロになったから、個別株は嫌だな。どうすればいい?

私:倒産しない方法がある。それはETFだ。ETFっていうのは、“Exchange Traded Funds”の略で、例えばアメリカのS&P 500や日本のTOPIXの動きに合わせて株価が動く投資信託だよ。日本株は1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、米国株はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)がいいよ。これなら、株価がゼロになることはないし、たとえ価格が下がっても5年か10年で元に戻ると思う。

連れ合い:本当に大丈夫なの?

私:実際に買って運用した結果がこっちにあるよ。大事なことは、下がっても売らないこと。個別株と違って、株価がゼロにはならないから、いつかは回復する。

連れ合い:うん、この結果には結構満足してる。損切なんてことは、ETFでやってはいけないってことね。ところで、株やETFだけでなく国債などの債券を買うのはどう?

私:今、日本の国債は、金利がほぼ0%だし、米国も2%台だから、あんまり魅力ないなー。米国債の利回りが5%になれば少し買いたいけど、今は無理して買わずに、チャンスを待っていた方が良いと思うよ。

<不況でデフレになるとしたら、今どうすればいいでしょうか>

連れ合い:インフレの時の心配ばかりしているけど、デフレになったらどうするの?

私:日本は、1990年代、2000年代と20年以上デフレだった。そういう場合には二通りの方法がある。一つは、今までの日本人のように銀行預金で持っておく方法で、これなら、価値は目減りしない。ただし、金利が低いから資産価値は増えもしない。もう一つは米国のETF(SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF))を買うこと。SPYは1993年に発売されたけど、既に価格は5.7倍にも達している。ITバブル崩壊やリーマンショックのような時もあったけど、5年、10年と待っていれば、それ以上に価格は上昇してきた。デフレでも基本はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)を中心に据えればいいと思うよ。ただし、一銘柄だけでなく、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)も買って、ある程度の現金もあると安心でしょ。そして、もし、米国債の利回りが5%か、それに近い水準まで上がれば、米国債も少し買えばいい。

(明日に続く)